Dandelion (ページ12)

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返事を待つ間、凄い勢いでドキドキしていた心臓を落ち着かせたくて2回大きな深呼吸をしてから静かに見守っててくれた大ちゃんと正門に対してお礼と泊まっていって欲しいとお願いした。

大ちゃんは明日オフになったらしいけどオフになったのはおれのせいやろうし、おれが一人でおりたくないのを察して明日も一緒におってくれるって言うてくれたんやろうな……

と思いながらお風呂に入りたいから1度家に戻ってからまた来てくれると言ってくれた大ちゃんにおれは大丈夫か聞けば大ちゃんは近いから平気と言ってくれた。

それにきっと大ちゃんの事だから、昨日から寝てない上に張り詰めていた気持ちがゆるんでだいぶ疲れた顔色をしている丈くんを送っていく気なんやろう。

大ちゃんやって疲れてるやろうにと思いつつ、今回ばかりは丈くんの方が気がかりでその意を汲んでまだ自覚してないであろう丈くんにおれは声をかける。

おれの言葉に丈くんはやっと自覚した表情をみせて、案の定大ちゃんは家まで送っていくと言って丈くんの発言を遮り怒涛の叩き込みで丈くんを圧倒して無理やり納得させた後、大ちゃんは先にナースステーションに寄ると言って病室を出ていった。

その様子を見て病室を去ろうとする丈くんに一人だけ除け者にするような形になってしまった後ろめたさから呼び止める。

それを察してか丈くんはおれからの連絡が来るまで待つと言ってくれた。

おれがまた連絡すると言ったら返事の変わりに右手をブンっと上げたのでいつもの丈くんやって思ってふふふと笑ってしまう。

そして、またねと声をかければ丈くんは右手をヒラヒラさせながらドアに向かう。

おれは病室を出ていくその背中をドアが閉まるまで見届けた。

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