Dandelion (ページ27)

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昨日は三人とも次の日がオフだから宅飲みでもしようって話になって俺と正門は、はっすん家に泊まりにいく予定だった。

朝から仕事してからのレッスンだったけど次の日仕事で東京に行くメンバーもいるから18時過ぎには終わった。

ただ、正門は元々仕事の後にAぇさんでバンドの自主練があって遅くなるって聞いてたからこの後どうするかなと思ってたら、はっすんは丈くんと次のLIVEの事で話があるらしく終わり次第連絡くれるって事になり俺はお母さんからタイミング良くどっか出掛けてお土産があるとかで連絡が来てたのとたまたま車だったこともありそのまま実家に少し顔出しに帰った。

その帰り道、実家で軽く晩ご飯を食べたから少し遅くなったがその割にはっすんからまだ連絡ないし仮に正門と先に合流するにしてもまだ時間あるしどっちにしろ家でシャワー浴びちゃうかなとか考えてたらトーク通知の音。

運転しながらチラッと左手のウォッチを確認すると

《ごめんなさいたすけて》

その内容を目にした瞬間に俺はすぐさま車を道路脇に寄せてはっすんに電話を掛けたが全く出ない。

こんなトーク送ってくるのは『かずや』しかいない。

ここの所ずっと落ち着いていたから油断していた。

今いる場所からはっすんの家までは車で20分かからないくらいだろうか。

俺はスピーカーに携帯を繋いで何度もリダイヤルしながら急いで向かった。

どれくらい、掛けただろう。

ただ鳴り続ける呼出音に気が焦るなか、あと5分位で着きそうって時にやっと出てくれた。

直ぐに｢かずや！｣と呼びかけると

｢大吾！大橋が！｣

聞こてきた声ははっすんではなく涙声の丈くんだった。

｢丈くん！？｣

｢薬、薬が散らばっとって…大橋がピクリとも動かへんねん！いくら呼んでも目も開けへん…｣

泣き叫ぶようにそう話した丈くんは電話越しでも分かるくらい明らかにパニック状態で救急車は呼べてないだろうし呼べないだろうと判断した俺は簡潔に今向かっていてもうすぐ着くから待っててとだけ言って通話を切り、すぐさま救急に電話を掛けてかかりつけの病院への搬送をお願いした。

俺は1秒でも早くと制限速度ギリギリまで飛ばして向かった。

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