Dandelion (ページ19)

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それぞれの思い.1 ページ19

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藤原side

本当に怒涛の1日やった。

帰宅した俺はすぐさまキッチンに向かい水を飲む。

カラカラになっていた喉を潤せば浴室に直行して頭からシャワーを浴びて、そのまま目を閉じれば昨日の出来事がよみがえる。

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昨日は次のLIVEでソロ曲をすることになって前に雑誌でお互いのソロ曲を考えるってやつの時に大橋が言ってた演出が今回の楽曲にもあうんちゃうかなと思って俺からレッスン前に声を掛けた。

そしたら、大橋は嬉しそうに目を輝かして頼られたとメンバーに触れ回るもんだから冷たくあしらったが実際に俺とは違う視点でものを見てる大橋だし初ソロで俺のことをよく知ってるやつの意見も聞きたかったのは本当だ。

その後、レッスンが終わり周りのこと気にしなくて済むし大橋の家のが近かったって理由でお邪魔させてもらった。

言い合いもしたけど元々大まかな案があったからわりとすぐに固まってきて、他との兼ね合いもあるから次はスタッフさんを含めて打ち合わせした方がいいって事になり、結局はほとんど二人でやってる配信の話をして大橋の家を後にした。

結構話したな～と思いつつ駅に着いてみたら靴を履く際に玄関の所に財布を置いてそのまま忘れてきたことに気がついて、途中まで持ってきてくれへんかな？ってすぐに大橋に電話したけど繋がらない。

誰かと電話してるんか？って思いながら急ぎめに来た道を引き返してインターホン鳴らしてみるがこちらも反応はなかった。

試しにドアノブに手をかけてみれば鍵は掛かっておらずそのまま開ける。

不用心やなと思いつつ声を掛けながら靴箱の上を見れば財布はあったが、やっぱり大橋の反応はなくて聞こえてくるのはスマホの着信音だけ。

お風呂に入ってる様子もなければ部屋の明かりはついていて、俺が家を出た時から変わらない玄関を見て出かけてるわけでもなさそうだった。

それに、寝てるにしては別れてからそんなに時間経ってへんし仮にも寝てたとして、ひとしきり鳴っては切れてまたすぐに鳴りだすスマホに起きひんなんてありえへんやろと思い俺は家に上がる。

どんどん高まる嫌な予感に俺は声を掛けながら廊下を進み部屋のドアを開けた。

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