little girl ページ48
＊
｢…っ、は…｣
目が覚めたのは既に日が落ちた頃だった。随分と寝ていたらしい。日本さんの介抱がよかったのか、俺が単にタフなのか。
それとも――
____今日は、お兄さんに甘えときなさい
____Good night――いい夢を。
｢(……これだからイケメンは…!!…)｣←
あのギャップは反則だと思う。今更ながら熱に浮かされてたとはいえ、しでかした所業が鮮明に思い出されてきて、内心死にそうである。
もし可能であるなら記憶を抹消したい。というか消してくれ、俺が倒れた辺りから。←
…それはさておき、だ。
一度目が覚めてしまったらなかなか眠れないものである。それに体質からか、どうやら俺は日が暮れると余計に熱が上がる方らしい。そういった状況下の中で、再び眠りにつけるかと言えば答えはNOだ。俺はそこまで猛者じゃない。
何よりもアレだ。
｢………み……ず、｣
……喉が渇いた。
食欲こそないものの、水分は取りたい。いや、俺が倒れた時に飲んだけど。(アメリカが買ってきたやつ)生憎、俺の流した汗やら涙その他諸々でなくなってしまったらしい。
……喉が渇いた。(2回目)
それこそ、行けるものなら今すぐにでも身体を起こして台所に出向き水分を取りたい。しかし先ほどにも言ったが俺の身体が思うように動かない。というか動けない。
誰かを呼ぼうにも暗さから察するに、今は草木眠る頃。ただ己の欲求を満たすためだけに人の睡眠を邪魔するのは気が引ける。というか、ただでさえ出しても辛うじて聞こえるぐらいの今の声で起きる者などいるんだろうか。
となると、諦めるしかない。寝不足になるだろうが、流石に死……命を落とすまではいかないだろう。朝になれば、きっと誰かが来てくれる。かなりの長期戦となるが今は耐えるしかない。
……と、ほぼ諦めの境地に入りかけた時だった。
夜目は対して効く方じゃない。だけど、確かにそれは俺の目に映った。障子からもれる僅かな月明かりに、一つの影が差した。
誰か来てくれたのだろうか?
にしても、成人男性の大きさにしては。
――小さすぎる、ような。
音もなく、障子が開いた。
｢……へ、｣
月明かりが、小さな影を照らす。見覚えのある姿に、声も少しだが出た。
日本さん家でいつか見た、着物姿の女の子。
その手には少々大きめの湯呑み茶碗。
｢…おれ、に?｣
掠れる声でそう聞けば、彼女はにっこりと笑みを浮かべて。もちろん、と何処か得意げに俺に頷いてみせた。
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フロックス(プロフ) - ありがとうございますm(_ _)m (2021年11月17日 21時) (
レス) id: 091c3771fc (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - フロックスさん» コメントありがとうございます。恥ずかしいとか可愛いとかの意味だったと思います！ (2021年11月17日 21時) (レス) id: 988d605ba2 (このIDを非表示/違反報告)
フロックス(プロフ) - すみません。"みったぐね"ってどういう意味ですか？ (2021年11月17日 18時) (レス) @page27 id: 091c3771fc (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫 - すみません、「続きます」のところで[完結]状態になっております。直した方がいいかと思います。失礼しました。 (2020年5月7日 13時) (レス) id: 33555fdbbd (このIDを非表示/違反報告)
melancholy.(プロフ) - あっしゅきです…。更新楽しみにしています！ (2019年11月18日 13時) (レス) id: 02f6747105 (このIDを非表示/違反報告)
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