【刀剣乱舞】驚きの毎日を、伍【男主】

驚きの関係性 ページ5

鍛刀した刀を連れて、

再び大広間に戻る。

厚と鯰尾、宗三に歌仙に愛染。

一気に増えた仲間に、

きっと皆も驚くはずだ。

嬉々として大広間の中に入ると、

中にいた刀剣たちの視線が俺に集中した。

「黒鶴兄ちゃん、

勝手に出ていっちゃダメだよ！」

「心配しました…」

浦島くんと前田がそろって胸を

撫で下ろすのを見て、すまんすまんと

軽く手をあげる。

「驚きの仕込みをしていたら、だいぶ

時間がかかってな」

「ふむ、驚きとはなんだ？」

ニコニコと笑顔を絶やさない俺に、

宗近も楽しそうに尋ねてくる。

孫の話を聞いてやる爺さんって

こういう雰囲気なんだろうなと思いながら、

後ろに控えていた厚達を前に出す。

「新しい仲間だ！どうだ、驚いたか！？」

じゃんっ、と厚達に自己紹介するよう

促すと、俺にした時と同じような

紹介をした。

「愛染国俊だ！」

愛染の名乗りが終わったところで、

最初に声をあげたのは前田だった。

「鯰尾兄さん、厚兄さん！」

涙を浮かべ感極まったように厚達に

抱きついた前田を、おお？と鯰尾が

支える。

「どうしたの、前田？泣いてる？」

「鯰尾兄さん、鯰尾兄さん…！！」

うわぁぁぁ、と声をあげて大泣きする

前田に触発された平野も涙を流す。

「厚兄さん、鯰尾兄さん…！」

「平野まで、どうしたんだよ？」

厚が近づいて、お兄さんらしく平野の

頭を撫でてうん？と首をかしげる。

厚の体温を感じて、

塞き止めていたものが溢れたんだろう。

平野は声こそあげなかったが、厚の

存在を感じるように抱きついていた。

「…厚」

「鯰尾」

続いて一期一振が、鳴狐が二人の名前を

存在を確かめるように呼ぶ。

そろって首をかしげる二人に、一期一振と

鳴狐は黙って微笑んでいた。

その目元に光る涙は見ないフリ、だ。

「あっ、お前之定！」

「…おや、一方的な面識ではなかったか」

一方で兼さんは、隣の安定を引っ張って

歌仙を指差していた。

雅じゃないよと注意しながらも、一方的な

面識でなかったことに歌仙も嬉しそうだ。

愛染は知り合いがいないのか、

皆より離れた場所で甘酒を飲んでいた

不動に自分から絡みに行っていた。

どうやら不動は絡まれやすい体質らしい。

やめろ、と兄貴分の長谷部の所へ

避難したところで、意外な関係性を

見てしまった。

「…へし切、長谷部。不動行光」

「…お前か、宗三左文字」

「あっ、本当だ」

宗三は、長谷部や不動と知り合いの

ようだった。

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