驚きの初歩会話 ページ34
「不動もずいぶんと面倒な
刀剣になったもんだなぁ、驚いた」
耳元で聞こえた声は、
もう何回聞いただろうか。
俺が眠りにつくたびに聞こえるこの声は、
いつもよりもかなり大きめの声量で
俺の鼓膜を刺激した。
「…鶴丸、耳元で喋らないでくれないか。
耳が痛いし、耳鳴りもするんだ」
「おっと、そりゃあ失礼」
反省した様子もなくケラケラと笑う
鶴丸に、俺はため息を吐きながら
辺りを見回す。
そこはやっぱり、夢の中だった。
絵の具の白色をそのままの原色で
べちゃっ、と塗り潰したような景色。
少し他の色が入っても、白色という
色の根本は変わらないだろうと思える
圧倒的白さ。
驚きの白さを売りにしている洗剤でも、
ここまで洗濯物を白くすることは
まず出来ないだろうな。
「さて、きみは俺に訊きたいことが
あるんだろう? なんでも訊いてくれ」
きみのことはなんでも知っていると
胸を張る鶴丸だが、俺は一体何が
訊きたかったんだか。
そもそも、俺はなんで眠ってるんだ?
不動の甘酒の自棄飲みに付き合ったのは、
覚えている。
そこで記憶が途切れているから、
多分そこで寝落ちしたんだろうな。
俺はこれでも学生だし、まだ
アルコールというものに慣れてない。
寝落ちするのもまぁ、仕方ない。
そこまで考えて、思い出した。
確か俺は、誰かに清光のことを
訊きたいと思っていたんだ。
清光の代わりも務めようと決心した今、
彼のことを何も知らないでスタートしたら
確実に代わりは務まらない。
だから鶴丸に訊こうと思ったんだが、
今考えたら別に鶴丸じゃなくてもいいよな。
朝起きたら長谷部とかいるだろうし、
光忠に訊いてみるのもアリだ。
鶴丸とは夢の中でしか会えないんだし、
どうせなら仲を深めておきたいよな!
「鶴丸は、何色が好きなんだ?」
初歩の会話は、相手の好きなものを
理解すること。
三日月にはまだ試していないが、
相互理解の為にはまずは好みから
知ることが大事だと、昔読んだ本に
書かれていた。
俺の至極真面目な質問に、鶴丸は
一瞬驚いたように目をまるくした。
「お、驚いたか!?
鶴丸を驚かせたのは、これが初めてだな!」
今まで俺が驚かされてばかりだったから、
仕返しが出来た。
さぁ好みの色を教えろと詰め寄れば、
鶴丸は分かった分かった、と
気まずそうに俺の肩を押し返した。
何が恥ずかしいのか、頬を赤く染めている。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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月珠 - 1から読みたいのでパスワードを教えてください！ (2022年12月23日 17時) (
レス) id: d908ec33e4 (このIDを非表示/違反報告)
眠民(プロフ) - 1から読みたいのですがパスワードが掛かっていて読めないのでパスワード解除、もしくはパスワードを何処かに書いて頂けませんか？ (2022年9月3日 5時) (レス) id: fcb69bf060 (このIDを非表示/違反報告)
？(^^)？ - 1から読みたいのですがパスワードを教えていただけませんか？お願いします！ (2022年4月21日 22時) (レス) id: 2bcf67198a (このIDを非表示/違反報告)
Rin?^^*(プロフ) - 1から読みたいのですが、パスワードを教えて頂けないでしょうか？ (2020年10月11日 14時) (レス) id: ed59144b66 (このIDを非表示/違反報告)
はるかかなた(プロフ) - 一から読みたいのですが、パスワード教えていただけませんか？お願いいたします。 (2020年9月9日 23時) (レス) id: b232e8656d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：師走氷 | 作成日時：2016年8月19日 12時
