“ オキツネサマ ” 橙黄, (ページ2)

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放課後の教室。

夕日に照らされて淡いオレンジ色に染まる教室の中に、俺達は居た。

男子校だから、恋愛も出来ないし青春ってヤツを体験した事がない。

だからそんな悲しい俺らはくだらない、今やから楽しめる事をやる。

(( オキツネサマ )) 。

まあ迷信でしかないこと。こっくりさんみたいな感じかな。

本間は《御狐様》っていって、学校から直ぐの所にある神社で祀られてる狐の神様。

何でも昔々、この辺は争いが絶えんくて、その争いを全部包み込んで救ってくれたのが御狐様らしい。

しょーもな。

ワクワクしながら円の形になった椅子に腰を下ろす幼馴染みの章ちゃん。

『今此処に六人おるやろ？でもな、こんなかからもしもオキツネサマに魅入られてしもうたヤツはあ～…

　連れて行かれてしまうねんてっ！』

驚かそうとしてるんか、おもいっきしスベった横山くん。

村上くんにどつかれてる。

『あれ？オキツネサマの歌ってどんなんやっけ。』

大倉が呟いた。

歌…？

すると誰かが歌い出した。