【文スト】彼に酔しれ堕ちていく【短編集】 (ページ3)

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お姫様とオヒメサマ【太宰治】ページ3

りん様リクありがとうございます！

何か、解釈の仕方、間違ってたら指摘お願いします。

…あれだ、私日本語読むのも下手なんだ。

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暗い。
目には何かが覆われており、視界は奪われていた。

頭がズキズキと痛むのは、矢張先程の所為なのだろうか。
手を動かそうとするも、カチカチと金属の音が聞こえるだけで、自由になんて動かなかった。

却説、如何したものだろうか。

先程、ある事件の犯人を追っている途中に、何者かに背後から後頭部を攻撃されたのだ。

音と痛みからして鉄パイプだろうか。

『……っ！』

突然、腹部に痛みが走った。

嗚呼、ごめんね。驚かせちゃった？

"内部"で暴れているのは、彼と私の子供だ。
何故か今のタイミングで暴れだしたのだ。

するとその時、扉の開く音が響いた。

……普通の木製のドアの音？
良く考えたら下は絨毯だ……。

近づいてくる気配。
気配は、ぬちゃっと気持ち悪い水の音を立てて口を開いた。

「…おはよう、姫様。僕の愛しい姫様。」

……は？
何を云っているのだこの不審者は。

姫様？私この年になってまでお姫様は夢物語見とらんぞ。

すると気持ち悪い手が、頬に触れた。
うっ…と思わず声を漏らしてしまいそうになる。

「あァ、赤ちゃんのような肌をしているね……。
　きっとその中にいる子も同じなのかな……？」

気持ち悪い手が私のお腹に触れる。

私は声を出そうとしたが、何故か出なかった。
…不味い……何かを飲まされた……。

「…気になるよねェ？」

背筋がゾッと凍るのが判った。

すると丁寧に一つづつ私の服の牡丹を外していく。
一つ、二つ、三つ……。

冷たいナニかが触れる。
…この断面、……ナイフ……？！

『……っっ！』

「大丈夫、怖がらなくていいよ。
　麻酔も打つし、血もそんなに出ないさ……。
　
　だから、安心して僕に委ねて？

　＿＿＿＿可愛い可愛い、僕のオヒメサマ？」

真っ暗な中、私はただ怯えるしかなかった。

早く、誰か来て。
そう願ったって、誰も来ない、来れないと判ってる。

するとその時、突然と男の悲鳴が耳に入った。

然し、それと同時に私の大好きな声も聞こえたのだ。

「……待たしてごめん。」

抱きつく彼の背中を摩りながら、私は涙混じりの声で云った。

『遅いよ、莫迦……。』

「愛してる……私の可愛いお姫様たち……。」

太宰の声はとても優しかった。