【文スト】彼に酔しれ堕ちていく【短編集】 (ページ20)

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愛の形【中原中也】ページ20

二次元好きのAlice様リクありがとうございます！

部活がコンクール前にも関わらず明日まで休みで一寸危機感があります。

そしてどなたか私に晩御飯をください←(食べてない)

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

目元をぎゅっと押さえられ、視界を奪われる。

後ろから押さえ込まれているため、下手に動くと何をされるか判らない。

兎に角、気持ち悪いの一点張り。

早くこの男を殺したくて、あの人に逢いたくて。

数分前＿＿＿＿＿

誰かが本拠地を出た辺りから着いてきているのは判っていた。

だから、一応中也さんにも連絡は入れたものの、「手前なら一般人ぐらい如何ってことないだろ」と云って残業に戻ってしまった。

私は如何にか早く撒こうと、暗い路地に入り込んだ。

然し、其が間違いだったらしい。

気づいた時には不意を突かれて、押さえ込まれていた。

そして、現在に至る。

『はなっ、してっ…！』

「無理だよ、だって君逃げちゃうでしょ？」

ぎゅっと手首を掴む力が強くなる。

痛い、だが今はそんな感情に構っている暇はなかった。

『…っ離しなさい、早くしないと殺しますよ…！』

然し男の力は緩まない。

それどころかククク…と喉をならして笑い出した。

「殺す？君が？無理だね、君は俺に頂かれる運命でしかない。

　初めて出会ったときから、ずっとこうなることを望んでいた。

　そして今、こうして君を奪えるチャンスが来たんだ！

　諦めて俺に＿＿＿＿＿＿＿」

男の言葉が途中で切れた。

しかも、グフォアッと呻き声を出して。

私の体に込められていた力は一瞬にして解かれ、私は力の入らない体を壁に預けた。

「…手前、俺のいねェ内に俺の女に何してやがる。」

ピクリとも動かない男の様子を確認すると、中也さんは此方に歩み寄ってきた。

ドンッと、壁と中也さんに挟まれる。

私は、解放感と安心感に浸って、思わず泣き出してしまった。

『ぅあっ…怖かった、ですっ……！』

「……本当にな。手前、大事なこと云わねェから心配で来てみりゃ、こうだぜ全く…………。」

中也さんは心配そうな声で云う。

中也さんの顔を見上げると、凄く優しい表情だった。

すると、一瞬だけ重なった唇。

「…怖いことを吹き飛ばすおまじない。」

『ふふっ…ありがとうございます。』

心なしか、何処か恐怖心が薄らいだ気がする。

怖いことを吹き飛ばすおまじない。

愛しているのおまじない。