【文スト】彼に酔しれ堕ちていく【短編集】

自身の過ち【太宰治】 ページ11

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家に帰ると、何時も聞こえてくる筈の声が届いてこなかった。

違和感を抱きながら、今に入る。


「………？」


机の上に無造作に置かれた紙。

並べられた文字は、ほんの数文字で終わっていた。


「…真逆、」


太宰は言葉を詰まらせた。

真逆、そんな筈は。
だが、自分が百パーセント悪くないとは云い難かった。


太宰は手紙を握り締める。

ぐしゃっとなった紙には、一言、こうかかれていた。






＿＿＿＿＿さようなら。






文字は震えていた。

きっと泣きながら書いていたのだろう。

自身が着込んだ外套に纏った甘ったるい香水の匂いが鼻を刺激する。
この度に、悔しさと己の愚かさが身○○し掛かり、目をそらそうとしてしまう。


「…A…………………！」


手紙を書いた人物の名を、喉の底から絞り上げて叫ぶ。

然し、それと同時に、自分が名前などを呼んでもいいのだろうかと躊躇が起きる。


己の過ち。

己の醜さ。

己の罪。


彼女にそれを赦して貰おうだなんて、何れ程頭を下げても口に出せない。

償う、それは決して簡単なものではない。


「…すまないッ…………！」


いつの間にか太宰の目からは涙が出ていた。

頬を伝う滴は、ポツリとカーペットに染みをつくる。




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿


りん様リクありがとうございます！

うわぁ短い、思わず感動←

何か趣向が違ったりしたら遠慮なく、コメントください！





雨凄いですね…。
さっきから土砂災害情報、警報が止まりません。

まだましな方なんでしょうが、其でも浸水したら軽く2メートルはいくところなんでね。
怖いですね。

山と湖と川に囲まれた田舎ですから……←


明後日まで続く様なので、多分関西の皆さんを中心に、お気をつけてお過ごしください！

癒しを、【芥川龍之介】→←君のことが【宮沢賢治】

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