６年生、秋、寝室にて【2/2】 ページ21
「誰から貰ったんだい？」
シリウスはリーマスの視線から逃れるように顔を背けた。もっとも、シリウスが答えなくても、リーマスはその答えを知っていた。
魔法薬学の授業が終わった後でシリウスがこのマカロンが入った箱を受け取るところを、リーマスは目撃していたのだった。
落胆している姿から推し量るに、大事に食べようとワクワクしていたに違いない。
「可愛い子がくれたんだろう？」
リーマスがそう訊くと、シリウスは自慢気に笑って言った。
「ホグワーツでいちばん可愛い」
いちばんと言えるのは君が彼女を好きだからだよ、と口にすべきかどうかリーマスが悩んでいると、シリウスはそわそわと浮き足立った顔で問いかけた。
「菓子をくれるってことは、期待できると思うか？」
「うん、そう思うよ。箱からして、あげるために事前に用意しておいたんじゃないかな？」
自分のおやつ用にたまたま持っていたにしては立派すぎる包装だから、きっとちょっとしたプレゼントとして用意しておいたに違いない。何とも思っていない相手なら、わざわざそんなものを用意しないだろう。
リーマスの同意を得て、シリウスは嬉しそうにニヤニヤと口元を吊り上げて笑っている。期待せずにはいられないくらい、シリウスは彼女のことが好きなのだ。
粉々に砕けてしまったマカロンさえ、彼女がくれたというだけで、大事そうに両手で持って愛おしげに見つめるくらいに。
誰が見たって、応援したくなるだろう。
「ホグズミードに誘ってみたら？」
リーマスが提案してみると、シリウスは目を瞬いた。
「ホグズミード？」
「来週末はホグズミードだろう？ デートに誘ってみたら？」
デートという単語にギクリと反応して、シリウスは赤らんだ顔を俯けた。
「そうか……うん……」
「うまくいくといいね」
親友の微笑ましい恋を、リーマスは心の底から応援したいと思ったのだった。
続く (更新停止中)
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4500_mg(プロフ) - はじめまして！一度読んだことあるのですが、好きすぎて、何回も読んでしまってます！この作品のシリウスが可愛くて可愛くて。他の作品を読んでも物足りなくなると戻ってきてます。続きも楽しみにしてます！ (2020年9月13日 22時) (
レス) id: ee2d521aa6 (このIDを非表示/違反報告)
Helga(プロフ) - minamiさん» 私も一気読みしたくなる派なのでお気持ちよくわかります(笑)2周目3周目も楽しんで頂けるようなお話になっていればいいな〜と願っています(*´∇`*)支部のほうもありがとうございます！引き続き楽しんでいただけるようがんばります〜★☆★ (2020年5月25日 14時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
minami(プロフ) - Helgaさん» いま思い返すと、折角ならもっとゆっくりじっくり読めばよかったな…とも思います(笑)pixivのほうにもおじゃまさせていただきました、番外編も引き続き楽しみにしています！ (2020年5月24日 2時) (レス) id: 44a9fa8c47 (このIDを非表示/違反報告)
Helga(プロフ) - minamiさん» はじめまして！一気読み大変だったと思います、お疲れ様です(笑)ひとまず本編完結となりましたが、続きと番外編を楽しんで頂けたらいいなぁと思っております(*´∇`*)心臓がきゅ〜ってなるようなトキメキを供給できてたら嬉しいです！ (2020年5月20日 18時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
minami(プロフ) - はじめまして！昨日、この作品の本編を見つけてから最新話まで一気読みしてしまい、こちらまで辿り着きました。今はとにかく続きが気になるのと、きゅんきゅんしすぎて胸が痛いです(笑)あと少しで終わってしまうと知り寂しくもあるのですが、更新楽しみにしています！ (2020年5月20日 10時) (レス) id: 44a9fa8c47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Helga | 作成日時：2020年5月1日 12時
