328**過ち**笠松Side ページ10
瞬間、陽和はしまったという顔をした。
様子からして、言うつもりなんてなかったんだろう。
だが、こっちはそれどころではない。
子供…、陽和の中に…、夏よりふくよかになった身体…、
…夏…、あの日……、過ち…、あの時の………
その子どもの父親が不思議とわかってしまった。
そういうことなら、今までの陽和の言葉をすべて繋げることができた。
「陽和、そのガキの父親、俺だろ。」
口は冷静に保っているが、頭は火照っていた。
なんでこんなことに！！たった１回、あのたった１回で……ただ間が悪かったのだ。
その後２人して反省して絶対しなかったのにっ！なかったことにしようって言い合ったのに！
なのになんで！！！！なんでこんな形になってるんだ！！！
怖い怖い怖い！！！このあとどうなるんだ！？俺の未来は？陽和の未来は！？
そんなことが混ざり合う俺の中を律し、陽和と向き合う。
笠松「……悪かった陽和。俺責任とるから...大学も辞退して……」
「…ダメ。」
静かに俺を諭すように陽和は言う。
「この子はユキの子じゃない……。」
俺は陽和の言葉に少し呆れた。
俺の子じゃないって何言ってんだアイツ。こんなことになってまで俺を庇おうとしていた。
笠松「…陽和、そんな一人で抱え込むな。これは俺たちの問題だろ？」
陽和「違う。これはボク一人の問題。ユキは巻き込まれただけ！！」
笠松「それこそ逆だろ？あの時だって俺がお前を―――」
陽和「とにかくっ、ユキには関係ない。」
何を言っても陽和は聞く耳を持たなかった。
その態度に俺はカチンときた。
「ふざけんなっ！！どう考えたって、俺とのガキだろうがっ！！！」
今日一番の怒声をあげた。
なんでコイツは一人で抱え込もうとすんだよ。
なんで茨の道を一人で進もうとすんだよ。わけわかんねぇ！！！
陽和「ユキには関係ない。」
笠松「関係おおありだろ！！そいつの父親は俺だろ！？」
陽和「違う！ボクの子だ！！」
笠松「はぁ！？わっかんねぇ奴だな！！お前俺以外としてねぇだろ！？」
陽和「………っ！！」
陽和はきゅっと小さい口を閉めて扉に向かう。
が、ガラッと開いたドアから雪崩のように２人の生徒が崩れ落ちた。
「早川！！と浦城！？」と驚く俺に対し陽和はそのまま出ていく。
俺も慌てて追いかけようとしたが、なぜか早川に羽交い絞めにされた。
そしてなぜか俺の代わりに浦城が追いかけていた。
329**追いかけっこ**→←327**避ける**笠松Side
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寿@ｶｽﾞ - お疲れ様でしたー!!大分前みたいですが、完結おめでとうございます!!楽しい話をありがとうございました。 (2017年2月5日 12時) (
レス) id: 732640604c (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - 全部読ませてもらいました！！すごく面白いですし感動しました！！中村と早川のやりとりも最高でした！！！ (2016年12月13日 16時) (レス) id: 52b53d1d24 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - すごく、面白い、いっぱい泣けました！ (2016年9月4日 22時) (レス) id: 29e6f8a221 (このIDを非表示/違反報告)
【青空】(プロフ) - ちぃにゃさん» ありがとうございます( ；∀；)読みやすいとか初めて言われましたΣ(ﾟωﾟ)だらだら長い話の中に一つでも気に入っていただけた話があれば嬉しいです(*´▽｀*) (2016年4月6日 9時) (レス) id: 203048ca07 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃにゃ(プロフ) - 遅くなってすみません！完結おめでとう御座います！毎回楽しく読ませて貰っていました。非常に読みやすい文章で面白かったです。幸せなひと時を有難う御座いました！ (2016年4月5日 11時) (レス) id: 5cc14c937a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青空 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/sorairo7491/
作成日時：2016年1月18日 18時
