番外編 ページ45
・
「あーあ、負けちまったな」
「…でも、楽しかった」
ネコ対烏、ゴミ捨て場の決戦。
それに俺たちは負けた。
全力をだしきって、そして、終わりというのはあっという間だと、あの笛の音を聞いて感じた。
黒尾は研磨の顔を見る。
何考えてんだかわかんない無表情、だけど、今この瞬間確かに、悔しそうな顔をしていた。
「Aさん、見ててくれたかな」
「…情けねぇとこは見られてねぇことを祈るわ」
空はまだ青い、これが夕暮れ時だったら雰囲気もあったんだろうとか、もしあいつが生きてたら、とか。
色んな考えが二人の脳内を巡る。
「あ」
ふと、研磨が声を上げる。
黒尾の足元に一匹の猫がいた。
「にゃぁん」
「…なんだ、この猫」
「さぁ…？」
くるり、くるり。
二人の周りを動き、研磨の足元に擦り寄る。
撫でて、遊んで。そんなふうに思えて、研磨はフサフサな毛並みを撫でた。
「にゃあ」
ゴロゴロと喉を鳴らし、とても心地よさそうに瞳を閉じる。
綺麗な目の色。Aと同じ色だと思った。
「にゃ、にゃあ」
「なんだなんだ、懐っこいなこいつ」
もっと撫でろとばかりに頭を押し付けてくる猫が、自分たちをなぐさめてるような気がして
とても、懐かしい匂いがして。
「…」
面影が、この猫に重なってしまう。
「研磨、いくぞ」
「…わかった」
名残惜しい気持ちを残し、研磨はもう一度だけその猫を撫でた。
『お疲れ様』
「…？」
どこからか、そんな声が聞こえて振り返る。
黒尾が彼の名を呼んで待っている。行かなきゃ、でも、今の声は、どこかで…。
「おい、いくぞ」
「うん、待ってよクロ」
分からない。でも、とても胸が暖かい。
研磨はその場を立ち去る。
残った一匹の猫は、静かに一声鳴いた。
にゃあ。
『みんな、頑張ってたね』
『カッコよかったよ』
次の瞬間、猫は姿を消した。
・
終わり
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美龍の神 - やばいです！超泣きました！（尊敬の眼差し） (2019年11月7日 19時) (
レス) id: 534a87d401 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 占ツクで初めてガチ泣きしました。 やばいわ (2018年9月11日 23時) (レス) id: 419dbc2738 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 音駒バレー部と主人公ちゃん、来世でまた仲間に成れたら良いね(；ω；｀*)いや、仲間に成ってね( ；∀；) (2017年4月16日 11時) (レス) id: e7ac951b9a (このIDを非表示/違反報告)
Haru(プロフ) - 鳥肌立ちました！感動！ (2016年11月30日 21時) (レス) id: e79d7205f0 (このIDを非表示/違反報告)
夜舞桜(プロフ) - レィナさん» 大丈夫です！人には得意不得意がありますし、私はギャグよりの物があまり書けませんから(＞＜)なので、自分の得意な物を精一杯書けばいいと思いますよ！ (2016年3月6日 6時) (レス) id: 23f500fca8 (このIDを非表示/違反報告)
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