高嶺の花子と大怪盗２【黒羽快斗】 (ページ9)

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59, あゴッッッ！！！！①-1 ページ9

Aside

隼を制服で乗り回した後、私達は一旦自分の家へと戻った。

マンションまで送ってくれた快斗に手を振り、カバンから鍵を取り出す。

絶対鍵かけろよ！入ったすぐに鍵かけろよ！

とうるさかったが、鍵をかけてもピッキングして入ってくる人に言われたくはない。

部屋の扉を開け、上靴を脱いで部屋に上がる。

『んあーーーっ！疲れた』

1人ぐぐっと伸びをする。家に帰ってきたのがとても久しぶりな気がする。

濃い1日だったなーとしみじみと考える。まぁこれから1番の大仕事が残っているんだけど。

制服を脱ぎ、クローゼットを開け、1着のライダースーツを取りだす。

流石にセクシーなお姉さんが着るような、胸元がら空き、体のライン丸分かりのやつじゃない。

私にあれを着る勇気はないし、ましてやこれから快斗と会うのに、着て行けるわけが無い。

ツナギのようになっているから割と着やすい。

ライダースーツに着替え終えたところで、

トゥルルルトゥルルル

とスマホが鳴った。

誰だろう、と画面を見れば電話主の正体は鈴木園子。

だいたい話の予想は着く。

『もしもーし』

〝「あ、Aー？今、大丈夫？？」〟

『うん』

〝「ニュース、見たわよね？キッド様の予告状♡今回も絶対行くでしょ？」〟

ははは、やっぱり。

キッドの予告状が出たら、毎度園子達と見に行っているので、今回もお誘いが来るだろうと思っていた。

なんだかんだ私は、毎度キッドファンの群衆に交じって、予告現場に行っているのだ。

警察やら、殺人サッカーボール(新一が真心込めて蹴りました)を、1人で相手にする快斗の無事を、この目で確認したいし、もとより私はキッドの大ファンだ。生で彼の活躍を見たい。

〝「蘭と眼鏡のガキんちょと、おじさまも来るから、あんたも来なさいよ！あ、迎えは私が行くから、あんたひとりじゃ危険すぎるから」〟

“変質者ホイホイだもんね”と笑い、どんどん話を進めていく園子。

『ちょっと待って園子！！』

〝「ん？」〟

『実は、今日用事があって……』

〝「え、マジで？？？？？？」〟

少しの間、沈黙が続く。

『どうかした？』

〝「あんた、ちょっとベランダ出てみなさい」〟

『？？？？』

ガラガラーっとベランダのドアを開けて、下を見下ろす。