高嶺の花子と大怪盗２【黒羽快斗】 (ページ40)

今日:81 hit、昨日:207 hit、合計:31,874 hit

90, 怪盗キッドの協力者①-2 ページ40

美術館前は、キッドの犯行を見に来た群衆でいっぱいだ。

当たり前だが、美術館内には入れていないらしい。

美術館の門の前で過密状態だ。身動きすら取れないほど、人で埋め尽くされている。

これじゃあ美術館までたどり着けない。

どうすっかなーと一瞬考え、ややバイクのスピードを緩める。

そしてブゥンブゥンと、マフラーを鳴らし、そこのけそこのけバイクが通る、と威嚇射撃。

マフラーをを唸らせながらこちらに突っ込んでくるバイクに、群衆はやばいやばいと左右に捌けていく。

また、その群衆に押されて、美術館の門も空いてしまった。

おっと♡ラッキー♡

門を開けるために、快斗がトランプ銃を貸してくれたのだが使わなくても良さそうだ。

群衆は完全にパックリと二つに分かれ、1本の道ができている。

そこをバイクで駆け抜けると、もう目の前には美術館で、階段の上からキッドが愉快そうに笑っているのが見えた。

そしてその近くには、蘭にお姫様抱っこされ、目がハートになっている園子も見える。

なになに。え、どうした園子。

あ、手に宝石持ってる。

推測だが、キッドから優雅に手渡しでもしたのだろう。

じゃあ今回の宝石もパンドラじゃなかったのか。

階段前で、ややドリフト気味に無理やりバイクを停車させる。

「な、何？？？！！！！」

という声が聞こえ、その声の方を見れば、美術館の入口で中森警部があんぐりと口を開け、そのまま固まっていた。

そしてその横には、江戸川コナン君。

ねぇお願い。お願いだからこっち見ないで欲しい。そして睨まないで欲しい。

急に現れたバイクマンに、群衆を含めた会場全体が、戸惑いと興味の混じった目で私を見つめる。

こんなに人から注目されるのは初めてだ。

「カボチャの馬車が迎えに来たようなので、シンデレラは退散しなければなりませんね。」

階段をコツコツと下りながら、キッドが言った。

固まったままの中森警部達。

大丈夫？動け？