高嶺の花子と大怪盗２【黒羽快斗】 (ページ4)

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54, お願い②-3 ページ4

まぁ俺も手に入れたのは偶然だ。

キッドの仕事の最中、別の事件で誘拐されていた金持ちの息子を助けたら、お返しに，とくれたのだ。

隅々まで調べたが、GPSも盗聴器もその他危険なものは何も仕込まれていなかった。

『え、ほんとに？マジであの隼？』

Aは何故か小声で耳打ちしてくる。

「マジで。しかも未使用。」

俺も耳打ちで返す。

そんな俺たちを、ついさっきまでハラハラしていた寺井ちゃんが優しく見守る。

Aはフーーーっと，とりあえず深呼吸。

これ押せばいけるな，と確信する。

「乗りたくない？特別仕様だぜ？」

追い打ちをかけるがあと一歩、首を縦に降ってくれない。

仕方がない。これだけはほんとに使いたくなかったけど。

バサァっと音をさせ、怪盗キッドに早変わり。

そしてギュッとAの手を握る。

「可愛いお嬢さん、私を迎えに来てk『やります』

食い気味のYES。

だから使いたくなかった。怪盗キッドとはいえ、Aが黒羽快斗以外に目を輝かせるのは面白くない。

「……………複雑だわ〜」

キッドの格好のまま机に突っ伏す。

「坊っちゃま……」

ポンっと俺の肩に手を置く寺井ちゃん。

『？』

どうしたどうしたと、Aが俺の頬をつつく。

「キッドに勝てない……」

『？うん、頑張って！』

本人に応援されちゃったわ

しょげる俺よりもAの頭の中は隼のことでいっぱいらしい。

目を輝かせたまま、自分の世界に入ってしまっている。

手強すぎかよ……キッドに勝てるのか？キッドに変身した時の、Aのアイドルを見るような目が頭に焼き付いて離れない。

んんんんん、可愛いけども、可愛いけどもなぜその相手がキッドなんだ。
俺なのに俺じゃない。

きゃー！とはしゃぐAの横で、俺は，はぁーっとため息をついた。

(スズキ Hayabusa 25周年特別仕様車ってなんか語呂良いですね。覚えやすい！！！ぜひ覚えよう！
もうほんとにカッコイイ。いやマジでほんとにカッコイイ。訳分からんぐらいカッコイイ。)