高嶺の花子と大怪盗２【黒羽快斗】 (ページ1)

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『え、ほんとに？マジであの隼？』

いけないことをしているような気がしてきて、小声で快斗に耳打ちする。

「マジで。しかも未使用。」

快斗も耳打ちで返してくる。

そんな私たちを、ついさっきまでハラハラしていた寺井ちゃんが優しく見守る。

フーーーっと，とりあえず深呼吸。

なんか変に汗かいてきたんだけど。

いけると確信した快斗が追い打ちをかける。

「乗りたくない？特別仕様だぜ？」

やばいめちゃくちゃYESって言いたい。

バサァっと横で音がしたかと思うと、目の前には怪盗キッド。

なになに顔近い顔近い。そしてかっこいい。

ギュッと手を握られる。

「可愛いお嬢さん、私を迎えに来てk『やります』

食い気味にYES。

ずるい。怪盗キッドをそこで出してくるのは，ずるい。

恋愛的な意味では快斗が好きだけど、怪盗キッドはアイドル的な？最推しのアイドルみたいな。

本当にキッドの安売りはやめて欲しい。

「……………複雑だわ〜」

快斗がキッドの格好のまま机に突っ伏す。

なんかすごい絵面だな。

「坊っちゃま……」

ポンっとキッドの肩に手を置く寺井ちゃん。

『？』

どうしたどうしたと、私はキッドの頬をつつく。

「キッドに勝てない……」

『？うん、頑張れ！』

よく分からんがとりあえず頑張れ。

しょげるキッドよりも私の頭の中は隼のことでいっぱいだ。

あの隼に乗れるのだ。しかも25周年特別仕様車。

1度でいいから拝みたいと思っていたものにまさか！まさか乗れるなんて！！！

しかも未使用？！私なんかが初運転でいいのかな。え、ほんとにいいのかな。

今ここで死んでも絶対満面の笑みで死ねる気がする。あ、でも乗ってから死にたい。できるなら乗ってる最中に逝けたら本望だ。

きゃー！とはしゃぐ私の横で、キッドがはぁーっとため息をついた。

(スズキ Hayabusa 25周年特別仕様車ってなんか語呂良いですね。覚えやすい！！！ぜひ覚えよう！
もうほんとにカッコイイ。いやマジでほんとにカッコイイ。訳分からんぐらいカッコイイ。)