6 質問 ページ7
「は、はい
先程よりも呼吸が落ち着いて来ています」
そう伝えると先生は「ありがとう」と一言言い、俺が支えていたAさんを抱き上げベッドに寝かせた。
そしてAさんの横にペットボトルに入った飲料水を置き、Aさんの頬を撫でた。
そんな光景を見ると俺の心がチクリと傷んだ。
それ以上Aさんに触れないでくれ、そう強く思ってしまった俺は先生の頬を撫でる手を止めるかのように先生に話し掛けた。
「あの、Aさんは何故この様な状態になってしまったのでしょうか...」
そんな質問をすると先生の頬を撫でる手は止まった。
それと同時に心の痛みも無くなった。
先生は少し考え込むと、何も言わずにその場を去ってしまった。
もしかすると俺は良からぬ事を聞いてしまったのでは無いだろうか...?!
何時も何時も俺は余計な事をしてしまう、嗚呼駄目だ俺のせい俺のせい俺のせい...。
「ん、独歩さん...?」
Aさんの声が耳に届く、ベッドの方を見ると目を開けたAさんが俺の方を見ていた。
「だ、大丈夫ですか?!」
Aさんが目覚めた驚きで声が裏返った。
そんな俺をAさんは小さく微笑むようにして笑った。
そしてAさんがベッドから身体を起こそうとしたが、其れはまだ危険なのではと俺が止めてしまった為Aさんは不機嫌そうな顔をして又寝転んだ。
話し掛けてもプイとそっぽ向いて答えてくれない。
先程とは違う心の痛みを感じた。
それを何回か繰り返した時、Aさんが言葉を漏らした。
「私先刻急に取り乱したでしょう?」
Aさんがそんなことを聞きながら俺の方を向いた。
俺は首を縦に振った。
「吃驚したわよね、ごめんなさい」
てっきり取り乱した原因を話すのかと俺は思っていた為上手く返事を返すことが出来なかった。
それでも、しどろもどろになった俺の返事をAさんはちゃんと受け取ってくれた。
聞いてもいいのだろうか、何故あの様な状態になったのかを。
先生が教えて下さらなさったのは、きっと自分で聞いてみなさいと言う事だろう。
失礼のないよう、きちんと頭で言葉を選び並び替えながら文章を作り言葉を吐いた。
「如何して、あの様な状態になったのですか...?」
Aさんは黙り込んだ、きっと話しにくい内容なのだろう。
俺は矢張り聞いてはいけなかったかと思い、「やっぱり大丈夫です」と言おうとしたその時、Aさんが口を開いた。
―――え?
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走るプリン(プロフ) - のん民さん» 変えておきました,教えて頂き有難う御座いました! (2019年3月15日 7時) (レス) id: 83f0796dfa (このIDを非表示/違反報告)
走るプリン(プロフ) - のん民さん» 読んで頂き有難う御座います.少し特殊な矢印を使っていたのでもしかすると文字化けして見える方が居るのかも知れません。 (2019年3月15日 7時) (レス) id: 83f0796dfa (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - ちなみに私はパソコンで見てるので、もしかしたらスマホやiPad、DSなどで見てる方は大丈夫かもしれないです、そこら辺はよく分からないですが(⌒-⌒; ) (2019年3月15日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - 面白そうです、お気に入り登録しました、更新頑張ってください。 それからひとつ、ページ1自己紹介のところなのですが名前や齢の後の、おそらく記号なのでしょうか?その部分が文字化けしています。 (2019年3月15日 3時) (レス) id: 8246ba9fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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