君が為、鬼籍に入る３【呪術廻戦】 (ページ22)

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115. ｢孤独｣という名の呪縛ページ22

〈Aは｢孤独｣に囚われている。｢人｣による裏切りや差別といった負の全てを、約20年間浴び続けていたからね。私と睦月だけでは、彼女を｢人｣の世に留まらせることは限界だった。だから悟…、君達にも彼女の存在を受け入れてあげて欲しい〉

『……話は以上だ。睦月からその時の記憶は奪ってある。自分の意志で｢死｣を選んだこともね』

｢…！睦月が、｢死｣を選択したと？｣

『《Aを呪術師としての立場を復帰させる代わりに、睦月の命を払う》とでも"契約"を交わしていたそうだよ。根っからの呪詛師である私からすれば、何とも言えないけどねー』

｢それは…、Aを想って｣

『睦月らしいと言えば、そこまでですけど』

サラッと言い切り、Aは用件は済んだと言って、部屋から出て行こうとする。

｢待て｣

『？』

五条に引き止められ、Aは振り向かずに立ち止まる。

｢…Aに全てを背負わせるつもりはないから｣

『流石に11年も経過すると、色々と心身共に成長するんだね』

まさか君の口からそのような言葉が出るとは思わなかったよ、と貶すAに、五条は深く息を吐いた。

｢最強の僕をなめないでもらっていい？｣

『特級呪術師ねぇ…、11年ぶりに手合わせしてみたいわ』

｢いいよ。負けないし｣

『……君とは直接手合わせしたことないからね』

微かに笑みを見せ、Aは部屋から出て行った。

―高専―

Aは特に行き場がなかったため、偶然校庭でトレーニングをしていた生徒達の元へ向かう。
そこには1年生と思わしき生徒が3人と1匹いた。

｢…！あ、お前は―…｣

Aの存在に気付いた1年生が、呪具を構えてこちらに向ける。

『？』

だけどAからすれば、面識がないに等しいため、疑問符しか浮かばない。だがその時―…

｢｢！！｣｣

突如としてAから尋常じゃない呪力放出が起き、1年生達は問答無用で地面へと押し付けられる。

｢なっ…、ナニコレ…｣

｢…強い…！？｣

『……』

A自身、その場から動いていないため、何が起きているのか1年生達は身動きが取れず、唖然としていた。とんでもない重力に押しつぶされそうになる1年生達。Aはその様子にただ見下ろすだけ。

｢A、僕の生徒達に手を出すのは止めろ｣

そこに呪力を感知して駆け付けた五条が現れる。その後ろには、追いかけてきたであろう七海や夜蛾の姿もあった。