混血のエルフ３【指輪物語】 (ページ18)

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2-27. 城門ページ18

遂に城門は完全に破られ、外からぞろぞろと牙をむき出しにした獣たちが押し寄せてた。
セオデンと並み居る兵士達は、必死の攻防で剣を振るい、侵入してきた敵に向かっていた。

｢ううっ！｣

｢陛下！｣

セオデンの肩を長槍がかすめ、彼はすぐに槍を引き抜くと、敵に向かって突き返し、奥へと引き下がった。

｢もはや無理です！！｣

腹心の部下が彼を安全な岩壁へと避難させながら言った。
負傷した王のすぐそばをアラゴルンが駆けて行った。

｢防げ！！｣

セオデンは傷口を押さえながら叫んだ。

｢どのくらい長くですか！？｣

｢可能な限りだ！！｣

アラゴルンはギムリを探し当て、彼を連れてせまい岩壁に張り付いて、目の前を盾で防備して攻めているウルク･ハイの群れを見つめていた。

｢あそこへ飛び移り、奇襲をかける｣

｢ワシを投げてくれ｣

ギムリはぼそぼそと恥ずかしそうに呟いた。

｢何だと？｣

アラゴルンは訝しそうに彼を見下ろした。

｢だから…わしはあそこまで飛べん。投げてくれ｣

｢エルフにはいわんどいてくれ｣

ギムリはアラゴルンに向かって釘を刺した。

｢誰にも言わないよ｣

丁度その時、Aは城壁を駆け上り、城門の真上に立っていた。
下ではアラゴルン達の姿が見える。

『…ここか』

Aは両剣を抜き、飛び降りた。