三十六話 ページ39
沖「土方さん、アンタひょっとして、もう全部つかんで……」
土「近藤さんには言うなよ。あの人に知れたらなりふり構わず無茶しかねねェ」
……確かに、近藤さんが知ったら無茶してでもやる。
土「天導衆って奴ら知ってるか?将軍を傀儡にし、この国をテメー勝手に作り変えてる、この国の実権を事実上にぎってる連中だ。あの趣味の悪い闘技場は、その天導衆の遊び場なんだよ」
A「………」
銀「あ〜、嫌な雨だ」
土砂降りの中、沖田は例の件ー鬼道丸が殺された事、で万事屋を訪れており、銀時はこちらに顔を向けぬまま話を続けた。
銀「何もこんな日に、そんな湿っぽい話持ち込んで来なくてもいいじゃねーか…」
沖「そいつらァ、すまねぇ。一応知らせとかねーとと思いましてね」
神「ゴメン、銀ちゃん」
新「僕らが最後まで見届けていれば…」
銀「おめーらのせいじゃねーよ。野郎も人斬りだ。自分でもロクな死に方できねーのくらい覚悟してたさ。」
沖「ガキ共はウチらの手で引き取り先探しまさぁ。情けねぇ話ですが、俺達にはそれくらいしかできねーんでね。」
沖田は立ち上がり、帰ろうとしていた。
沖「旦那ァ、妙なモンに巻き込んじまってすいませんでした。この話はこれっきりにしやしょーや。これ以上関わってもロクなことなさそーですし」
ガラッ
「!」
万事屋の玄関の戸があき入ってきたのは、保護している子供たちだった。
沖「テメーらここには来るなって言ったろぃ?」
「…に、兄ちゃん、兄ちゃんに頼めば何でもしてくれるんだよね。何でもしてくれる万事屋なんだよね?
お願い!!先生の敵討ってよォ!!」
子供たちは泣きながら持ってきた物を万事屋の机に出し、1人は銀時の方に自分の物ー宝物のシールを持って行った。
「これ…、僕の宝物なんだ。」
「お金は無いけど、…みんなの宝物あげるから。
だからお願い、お兄ちゃん。」
沖「…いい加減にしろお前ら、もう帰りな。」
「……僕、知ってるよ。」
1人の子供が震える声で口を開いた。
「先生…僕たちの知らないところで悪いことやってたんだろ?だから死んじゃったんだよね?
でもね、僕たちにとっては大好きな父ちゃん…立派な父ちゃんだったんだよ…」
黙って聞いた銀時は
銀「おい、ガキ」
「!」
銀「コレ、いま流行りのドッキリマンシリーズじゃねーか?」
「そうだよ、レアモノだよ。なんで兄ちゃん知ってるの?」
銀「なんでっておめー、俺も集めてたんだ…ドッキリマンシール」
銀時はそのシールを手に取り立ち上がった。
銀「コイツのためなら何でもやるぜ。後で返せっつってもおせーからな」
「兄ちゃん!!」
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作者名:Metal | 作成日時:2023年5月31日 23時