真選組の右腕【銀魂】 (ページ37)

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三十四話　刀じゃ斬れないものがあるページ37

真選組屯所にて

土「A、総悟見なかったか？」
A「総悟なら女子格闘技見に行ったよ」
土「ったく…またあいつはサボリやがって……A、悪いが代わりに見廻りに行ってくれ」
A「了解」

元々非番だったAは総悟の代わりに見廻りする事になった。

見廻りの途中、万事屋と総悟を見かけたAは尾行する事にした。

まさか……〃煉獄関〃に行くわけじゃないよな。

Aの予想通り、総悟達は煉獄関という殺し合いの地下闘技場に入り、万事屋達に説明していた。

その様子をAはこっそり聞いていた。

沖「役人だからこそ手が出せないの。ここで動く金は莫大。残念ながら、人間の欲ってのは権力の大きさに比例するもんだからね」
銀「幕府も絡んでるっていうのかよ」
沖「ヘタに動けば真選組も潰されかねないんでね。これだから組織ってのは面倒でいけねェ。自由なアンタがうらやましーや」
銀「……言っとくがな。俺ァてめーらのために働くなざんざ御免だぜ」
沖「おかしーな、アンタは俺等と同種だと思ってやしたぜ。こういうモンは、虫唾が走るほど嫌いなタチだと……」
アレを見て下せェ」

そう言って沖田が指を指したのは、お面の男。

　
沖「煉獄関最強の闘士、鬼道丸……今まで何人もの挑戦者をあの金棒で潰してきた、無敵の帝王でさァ。まずは奴をさぐりァ、何か出てくるかもしれませんぜ」
銀「オイ」
沖「心配いりませんよ。こいつァ俺個人の頼みで、真選組は関わっちゃいねー。ここの所在は俺しか知らねーんでさァ」

そう言って人差し指を唇に当て、ニヤッと笑った。

「だからこのことはどーか、近藤さんや土方さんやAさんには内密に……」

それを聞いたAはそっと立ち去る。

……悪いな、総悟……今回ばかりは報告させてもらうぜ。

今はその時じゃない……悔しいが……もう少し待ってくれ。