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二十一話 ページ24

目撃情報が入ったかぶき町へとはいり、近くの団子屋で姫様は見つかった。
神楽ちゃんと一緒に。


土方が前に進もうとするが、Aは止める。


土「おい、なんのつもりだ」
A「少し、様子を見ましょう」

少し様子を見ることにした土方とAは二人の会話を聞く。


姫「女王サンはいいですね。自由で。・・・私、城からほとんど出たことがないから。友達もいないし、外のことも何もわからない。私にできることは遠くの街を眺めて思いを馳せることだけ・・・あの街角の娘のように自由にはね回りたい、自由に遊びたい、自由に生きたい。そんなこと思ってたら、いつの間にか城から逃げ出していました」



やっぱり、家出の理由はこれか。

そりゃずっと城の中に篭ってたら、外に憧れるわ。



土「おい、もういいだろ」
A「ああ、そろそろ迎えに行きますか」
姫「でも、最初から1日だけって決めていた。私がいなくなったら、色んな人に迷惑がかかるもの・・・・」
土「その通りですよ」
A「さ、帰りましょ、姫様」


だからと言って、これ以上好き勝手にはさせない。


姫「………」
「……」(ぱしっ)

俯きながら立ち上がった姫様の手首を神楽が掴んだ。




「!!」
土「何してんだテメー」
A「神楽ちゃん?」


神楽はにぃっと笑うと、土方に向けて咥えていた団子の串を思いっきり吹き飛ばした。

咄嗟に土方がそれを払った隙に、土方達がいる方とは反対側に走った。




A「...え!?っちょ!?」
土「おい!!まて!!確保!!」

逃げた先には、ウチの隊士が大勢潜んでいる。


にも関わらず、彼女は猪突猛進、車を踏み台に屋根へと跳んだ。






「姫をかかえて屋根に飛びあがりやがったぞ!! 何者だ、アイツぅ!!」
近「……ありゃ万事屋のトコのチャイナ娘じゃないのか? 何故姫と」

沖田はさぞ興味がなさそうに「さぁ」と言い、ランチャーを構えようとしており、ぎょっとしたように近藤が止めに入った。

近「ちょっとォ!!総悟くん!!なにやってんの物騒なモン出して!!」
沖「あの娘には花見の時の借りがあるんで」
A「そんなに根を持つぐらいのことされたの?」
近「待てっ!!姫に当たったらどーするつもりだ!!」
沖「そんなヘマはしねーや。俺は昔、スナイパーと言うあだ名で呼ばれていたらいいのになぁ…」
近「おいいいいいい!!ただの願望じゃねーか!!」
沖「夢を掴んだやつより、夢を追ってる奴の方が時に力を発揮するもんでさぁ」

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作者名:Metal | 作成日時:2023年5月31日 23時

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