エレファンツ・ブレス 29 ページ38
マ「じゃあオープニングスタッフを募集していたのかもしれないね。
英語はたどたどしいけど、『スーラ』と『グランド・ジャット』という単語ははっきり発音している。
たぶん、『スーラ』は人の名前だと思う」
萩本兄弟がまたノートパソコンで検索を開始した。
萩本弟が手を挙げる。
萩弟「点描で独特な水彩画を描く画家に、『ジョルジュ・スーラ』というフランス人がいます。
代表作の一つである『グランド・ジャット島の日曜日の午後』という作品がシカゴ美術館に展示されています」
マ「やっぱり。
ぼくはシカゴに住んでいたから、地理的なことも試しにさっき質問してみたんだ。
だいたい正しいことを言っていたよ。たぶん長く住んでいたんだと思う」
萩本弟がパソコンのディスプレイを見ながら説明をつづけた。
萩弟「シカゴ美術館にはスーラの代表作の他に、日本の浮世絵などの東洋美術コレクションもあって、欧米では有数だそうです」
ハルタがお爺さんに確認する。
ハ「一九六六年に渡米。
最初の行き先はサンフランシスコ。美術館のオープニングスタッフの手伝いをした後、次の仕事のコネを見つけてシカゴに移動。
点描の影響を受けたスーラの代表作がある場所でしばらく滞在した。…それで合っていますか？」
お爺さんは黙っていた。
窪んだ眼窩の奥にある瞳が、かすかに揺れた気がした。
祖父「…そうかもしれない」
後「シカゴにいたの？」
後藤さんがお爺さんに詰め寄る。
祖父「…だんだんそんな気がしてきたぞ。
まい、ぐらんどどぅたー」
空気が読めずに、軽いノリで返してしまうお爺さん。
後藤さんはきっとした目でわたしたちを見る。
後「あのっ、シカゴって、サンフランシスコから遠いんですか？」
マ「横に広いアメリカ合衆国の西端から東端に行くイメージかな」
「それなら約三千キロだね。東京と博多を一往復半するくらいかな」
ハ「うん。だいたいそのくらい」
わたしたちが答えると、後藤さんの顔がわなわなと震えた。
わたしたちが止めるより先に、ベッドに飛び乗り、お爺さんの両頬をつまんで引っ張った。
後「留学なんて嘘じゃないっ。お婆ちゃんに謝れっ」
日「孫娘の乱心を止めなくていいですか？」
日野原さんがお婆さんに小さな声で話しかける。
祖母「…嘘をつくような人じゃないんですよ。
世の中、思い通りにならないことがありますからねえ」
宙を見つめたお婆さんは、誰にともなく呟いた。
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雪凛 - ののさん» うおぉ！ですよね！ハルタが見れないぃ…。あんな美少年が見れないなんて…。うぅ(ぅω；`)です。 そして、面白いという言葉…光栄です！これからも頑張ります！ (2016年4月6日 21時) (
レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
のの - 雪凛 さん» 私もハルチカ終わってとても悲しいです…。あと、小説も面白いです！ (2016年4月6日 21時) (レス) id: dd3ac278ec (このIDを非表示/違反報告)
雪凛 - fruitさん» マジですかああ！！！五万円以上…難しいですね…。そうですねぇ。成績トップですから！私も一位取ってみたいです。 (2016年4月5日 13時) (レス) id: ca0edcb47b (このIDを非表示/違反報告)
fruit - 続けてすいませんm(*- -*)m夢主ちゃんはすごいですね！もう真相がわかったなんて・・・こんなに頭が良くなりたいです(ｏ´_｀ｏ)楽しませてもらってます！頑張ってください！ (2016年4月4日 18時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
fruit - 今日ですね！YAMAHAに行ったらですね！ハルタとチカの看板(？)があったんです！！ハルチカグッズが当たる！！って書いてあったんですけど5万円以上購入につきって書いてあったので諦めましたwでも、それ見つけた瞬間おぉぉ！ってなりました(〃ﾉ∀｀〃) (2016年4月4日 14時) (レス) id: 1c29b9fd37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪凛 | 作成日時：2016年3月17日 1時
