待っとけ ページ42
「佐久早のスパイクはどんなもんや？」
「なんとなく感覚が掴めてきたんで次のセットはあげられると思います」
「頼むで。アレが一番の難関やからな」
「はい」
1セット目は見事に佐久早さんのスパイクに振り回されて落とした。でもセットの終盤は要領もわかってきてだいぶあげられたけど。
でもまだドンピシャであげられてないし、佐久早さんは回転だけじゃなくてコース分けも上手いから厄介。
スポドリを滝のように身体に流し込んでコートに戻る。
侑さんのサーブと共に始まった2セット目。
やっぱそうだよね。強烈なサーブだけど向こうのコートには古森さんが居る。そんな簡単に決まるとは思ってなかった。
いつもより侑さんのサービスエースが決まらないのは古森さんが居るからか。
侑さんのサーブを綺麗にセッターの元に持っていく古森さん。
やっぱ凄いな。……負けないけど。
セッターから佐久早さんに運ばれたボールは気持ち悪い回転をしながら僕に向かってくる。
今日受けた佐久早さんのスパイクの感覚を加味しながら腕の角度を調整してボールの勢いも回転も全てを殺す。
キタ。ドンピシャ！
綺麗な弧を描きながらAパスになったボールは侑さんのセットによってこっちの一点になる。
「A！ ナイスレシーブ」
「アランさんもナイスキーです」
「来たで！ 今手元に来た！」
「はい！ まだ一球ですけど」
「おん。次も頼むで」
「はい。わかってます」
アランさんと声を掛け合ってると少し興奮した侑さんが現れる。
本当にバレーが好きなんだな。
まだ綺麗に挙げられたのは一球。
そりゃ、侑さんは高校No. 1セッターと言われるだけの実力を持っているから多少ズレても綺麗にセットしてくれる。今日もここまで佐久早さんのスパイクでズレたのを何度も助けてくれた。
でも僕はリベロだから。それに甘えるのは僕のプライドが許さない。
「あげてなんぼ」
さあ、次もあげよう。
ネットの向こうにいる佐久早さんを見つめながら次に備える。
侑さん、そこで待っててよ。僕がそこに運ぶから。
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蓮夜 - 面白かったです。主人公が凄くかっこいいし、兄のことをにぃといってるギャップが良すぎました。お疲れ様でした！ (5月14日 23時) (
レス) @page48 id: 574d664119 (このIDを非表示/違反報告)
ぽん(プロフ) - 今一番楽しみにしてる小説です(T . T)これからも応援してます〜！ (2020年5月2日 11時) (レス) id: 008e34b9a1 (このIDを非表示/違反報告)
ogofumi(プロフ) - 続編おめでとうございます！めっちゃ好きです。これからも応援してます。更新頑張ってください！ (2020年4月30日 21時) (レス) id: d6342d80f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りろ | 作成日時：2020年4月30日 21時
