お隣さん ページ5
そ「え、あ....うん...まあそうだよね…」
咄嗟でスケッチブック越しでの会話に戸惑ってしまう
俺がほうけていることに気付いた女の子が文字を書き出した
?『ごめんなさい。自己紹介が遅れました。私は隣に引っ越して来ました、葉山 Aと言います。』
ペコリと頭を下げる女の子に俺も慌てて軽く会釈をする
そ「一ノ瀬 彼方です。」
この名を誰かに言うのは久しぶりだ
歌い手活動をしてきた中では「そらるです」と紹介することが多かったので少し新鮮である
ましてや女の子に
そ「えーと…色々聞きたいことがあるんだけども、そのスケッチブックは....?」
再び何かを書いてこちらに見せてきた
A『私は声が元々出せません。だからこうしてスケッチブックや携帯越しでの会話になります』
そ「ああ、なるほど....」
なんと言えば良いのか分からなくなってしまう
元々ということは生まれてからこの方、声を発したことがないという事だ
歌うことが日々の日常である自分では考えたこともない
歌うどころか声すら出せないなんて....
俺には耐えられないな、そんなこと....
俺が感傷に浸っていると、続けて女の子がスケッチブックを開いて見せてきた
A『私は自分が不幸だとは思ったことはありません。だからそんな顔をなさらないで下さい。大丈夫ですよ』
強い子だな…
そ「そっか…。いや、声が出せないって俺には考えられないことだなって思ってさ....」
頭をかきながら言うとその子はにっこり笑った
A『そうですよね。歌い手さんならなおのこと考えずらいですよね』
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作者名:ハルタネ | 作成日時:2017年6月23日 21時