Honey Citrus ３

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…あれ。





そういえば、北山さんって

最初は横浜支社に勤務してたんだよね…？





そしたら、

あの感じの悪いホクロ男(勝手に命名)のことも知ってるのかな…








エレベーターが降りてく間にそんなこと考えてたら








「本社会議も終わったことだし

　明日からはまた契約取れるように頑張んなきゃなー」




「ですね…！私も頑張ります！」




「うん、ありがと。」







藤ヶ谷さんの口から出てきた言葉に


私も頑張らなきゃ！って気合いが入る。






聞く所によると


藤ヶ谷さんの契約数、このままいけば

今月１位取れそうなんだよね…









「藤ヶ谷さん、今月１位取れたらお祝いしましょーね！」



「気が早いんじゃない？(笑)」





私の言葉に


チラッて視線をよこして

少し困ったように笑ってる藤ヶ谷さん。








「いいじゃないですか！何か美味しいものでも食べましょ！」



「んー…じゃあたまにはどこか食べに行く？」



「い、行きます！絶対行きます！！」



「食いつき方(笑)」






勝手にはしゃぐ私のこと見て


目細めて笑ってるのが何だか心地よくて。









明日は約束の金曜日だけど、


北山さんとも前みたいにこんな感じで

肩の力抜いて話せれば。








……そしたら


何か関係は前に進められるのかな。









１階について、ロビーを歩いてく間に


そんなこと考えてたら









「えっ…」



「？？…どうしましたか？」






急に立ち止まった藤ヶ谷さんに


思わず顔を伺う。






どうしたんだろう……？









「いや、北山見つけたんだけど…、」







うん…？





何か言いたげに


私のこと見た後すぐ視線を逸らした藤ヶ谷さん。








……これ、



藤ヶ谷さんが私のこと心配してくれる時にいつも見る気がする。








先週北山さんのことがあって仕事が手につかなくて

終業後一人で途方に暮れてた時も、



私が立花さんと話してた時も、






こうして心配そうに私のこと見て、


それでいてまた目逸らすの。









不思議に思って、


藤ヶ谷さんが立ち止まった時の

視線の先に目を向けたら









「……え、立花さん？」






ビルを出た端っこの方に


分かりにくいけど北山さんらしき人と





もう一人。









最近見慣れていた、


細いシルエットを見つけて

私も思わず動きを止める。





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