Honey Citrus ３

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「確か、藤ヶ谷さんの担当ってことも…

　どこかでお会いしたことありましたか……？」








あの日、ぶつかった時。




ネームホルダーを見て

私の名前と、それと藤ヶ谷さんの担当だってこと。






なんで知ってたんだろう？







さっきも私の顔見てすぐ

藤ヶ谷さんの名前出してたし…。







不思議に思って、返ってくる答えを待ってたら








「会ったことはないよ？

　俺が勝手に名前知ってただけ、」




「えっ……？」







なにか諦めたように、


鼻で笑うようにしてそう口にした男性。







信号が青に変わったけど、



そのまま動かないでいるから


私も同じようにして立ち止まったままで。









「あいつが本社行ったら次どんな子に手出すのか、

　他のやつから担当の子の名前聞いてただけだよ、」





「…え？」









な、何それ…






話してるだけで伝わってくる、


この人の藤ヶ谷さんに対する嫌悪感に

妙な鳥肌が立つ。







藤ヶ谷さんがそんな軽い気持ちで接するような人じゃない、ってことは


もちろん分かってる。







だからこそ、どうしてこの人が


そんな風に悪く言うのか分からなくて…









「びっくりしてる？」




「し、してます…けど……」




「まぁ別に今の忘れてくれればいいよ、」







私が考えてることを察したのか


そう言って目を逸らしてきた。









横断歩道をどんどん渡っていく人混みの中、



私はまだ動けなくて。









「なんで…そんな風に言うんですか？」




「ん？何が？」




「だって……っ、あなたはその……

　横浜支社の方ですよね？」








本社勤務じゃなくて


でも先週からの会議には参加してて。






ぶつかったあの日、


会議に参加したメンバーは

本社と横浜支社の人だけだったはず。








…元は同じ職場で働いてた人なのに。





藤ヶ谷さんのあの人柄や働き方を間近で見て


どうしてこんな風に悪くいうのか疑問しか無くて。








私の質問に、その男性は


少し眉間に皺を寄せて嫌そうな顔をした後









「ごめんだけど、俺藤ヶ谷のこと嫌いだから。」









そう言い残して、



既に点滅に切り替わってる信号を見て


慌てて立ち去っていった。









・・・。






ちょっと……、








「なっにあれ……っ！！！」







感じ悪すぎじゃない！？！？！？








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