命の天秤【市川太一】らるさまリク ※ファンタジー・死ネタ ページ5
夢主・市川太一さんと恋人同士
※ファンタジー・死ネタです。
[ここから出たくば、どちらかの命を犠牲にせよ。]
どちらかの命を犠牲に＿＿つまり片方が死ねばもう片方は助かる＿＿なんて、そんな話、
馬鹿みたい。
「…何だその馬鹿みたいな話」
そう言おうとしたとき、震える声で太ーが言った。
『そ…そうだよね。そんなのありえな…きゃっ?!』
自分の声も震えるのを必死に抑えつけて、ドアがあるはずのところまで駆け寄った。しかしそこにあったドアは忽然と消え、代わりに2本のナイフが置かれている。
「どした、何かあった?! 」
『…ゃ、あのね、ナイフ…』
「これで死ねってことか………よし、俺が死ぬから。そしたらA、逃げてね、いい？」
そう言って太一はナイフを持つ。
『…え、』
「ね？」
そうして、酷く哀しそうに、それでいてどこか誇らしそうに笑った。
『ねぇ、』
「ん、なぁに？」
『わたし、』
後に続く言葉はもう、決まっている。
『私が死ぬよ。だから太一は、生きて』
「……は？」
『ね？』
一音一音、怖くて仕方がないのを隠すように。噛み締めて、太一と、自分に言い聞かせる。
「ダメ」
『え？』
「ダメだって。俺が死ぬって言ったでしょ」
『ぜっったいやだ！私これだけは絶対譲らないから』
「なんで？俺だって譲れない」
太一が死ぬくらいなら私が代わりに死ぬ。恐怖も痛みも、太一になんか味わわせてあげないんだから。
しばらく私達は、静寂の中で睨み合った。
「……分かったよ。じゃあ、二人で死のう。一緒に」
『でも、』
「でもじゃない。置いていくのも置いていかれるのも嫌でしょ」
『…うん』
すっ、とナイフを構えて座る。こういうのは未練が残る前にやってしまったほうがいい。
『あのね、私ね、すっごく幸せだったよ』
「うん、俺も。だから最期まで幸せでいようね」
『…うん』
その言葉を合図に、互いの胸にナイフを突き立てる。できる限り強く、深く。心臓が刻む時を止めるように。彼が、私が、痛くないように。太一も私の視界も、ゆっくりと傾いでいく。腕に込めた力はそのまま、きつく抱きしめ合って微笑えんだ。歪んだ唇の端から、言葉が零れ落ちる。
「A、愛してるよ」
『うん、私も、
あいしてる。
ぽとり、落としたつもりの言葉は彼に届いただろうか。ほんの少し触れ合った唇から伝わるあたたかさを感じて幸せでいっぱいになりながら、目の前の姿を目に焼き付けて意識を手放した。
それでも愛してる【市川太一】 ※共依存・ヤンデレ→←今はまだ��
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きゃねこ@FGO垢(プロフ) - 古川慎さんとお風呂に入る話が読みたいです！ (11月19日 12時) (
レス) id: b9dbee0f0f (このIDを非表示/違反報告)
ハルカナギサ(プロフ) - A.さん» 遅くなってごめんなさい…！！リクエストありがとうございます。児玉卓也さん、初書きなのでがんばります…！ (7月13日 1時) (レス) id: e1023481e7 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカナギサ(プロフ) - 瑠夏さん» ずうっと音信不通でごめんなさい😭いつもありがとうございます！！すぐ上げます！ (7月13日 1時) (レス) id: e1023481e7 (このIDを非表示/違反報告)
A.(プロフ) - 読ませていただきました〜！！！すごい良かったです！またリクエストお願いします……！児玉卓也さんで嫉妬する児玉さんのお話を読ませていただきたいです！いつでも待ってますのでよろしくお願いします！ (2023年4月17日 21時) (レス) @page1 id: e97af92e53 (このIDを非表示/違反報告)
瑠夏 - お久しぶりです、読ませていただきました。とっても良かったです。また久しぶりに古川さんのリクエストお願いします、恋人同士の同い年でドラマに夢中な彼女に嫉妬しちゃうお話が読みたいです (2023年1月7日 12時) (レス) id: b9e0d52f34 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルカナギサ | 作成日時：2021年8月20日 15時
