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12,吸血鬼の名前 ページ12

私が座ってる椅子の後ろにあるベッドの方を向き、猫の抱き枕を眺めた



あの可愛らしい猫の抱き枕をあのジャージでつり目の吸血鬼が選んだのか、意外だなぁ



『んふ、面白いなぁ〜』



猫の抱き枕から視線を外し部屋全体を見まわす





『あれ?』



入った時は気づかなかったが






この部屋はテレビや電話などの外部に繋がる家具が一つも置いていない事に気づいた






少し怖くなりベッドに背を向け、本に目を落とした



ただ本に集中することができず、仕方なく本に栞を挟み、窓を開け気分転換に空を見ることにした



窓を開けた事によって入ってきた冷たい夜の風を肌で感じながら、今日一日で会った出来事を思い返す



村の人と母親に売られて、紫と赤のメッシュの男と話をして、100億で買われて、それから…



『考えるのやめよー』



この窓から見える月は、村の鳥小屋の中で見た月よりもずっと綺麗で…




少し不気味だった










「寒くねぇの?」



『!?』



「なんだよ、そんな驚くことか?」



『音もなく、現れるから…」



「あ〜悪いな」





吸血鬼の男は突然音もなく背後に現れた





吸血鬼だとか魔女だとかの人外は


人間を驚かす事を趣味にでもしているのかと思う程に音もなく現れ、驚かしてくる



「で?お前、何見てたの?」



『空…見てました…』



「ふーん」



『あの、吸血鬼さん名前なんて言うの?』



「ラグーザ」



『ラグーザ…』



「葛葉でもいいんだぜ」



『名前二つあるのですか?』



吸血鬼の男は天蓋付ベッドに腰を下ろした



「そんなとこっ、てかこのベッドすげーふわふわだぜ」



「お前も一回座ってみろよ!」



葛葉は自分が座っている場所の隣を叩きこちらに手招きした、隣に座れという事なのだろう



特に逆らう理由も無かった為、少し距離を開けて隣に座った



『確かに、ふわふわですね』



すごーいなんて言いながら、ベッドを堪能していると



「遠くね?」



こちらを睨み、不機嫌そうに言った



『オークションで様付けされてたし、


凄い人なのかなって考えたら、馴れ馴れしくはできないなって…』



「…まぁ、そう思うのは自由だけどさぁ、せめて手の届く場所には来てくんね?」



私は一度立ち上がり、葛葉の手の届くギリギリの距離に座り直した






「まだ遠いな」



『勘弁してください…』

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ななか(プロフ) - 碧葉さん» わぁ!一目惚れ!?めちゃくちゃ嬉しいです〜!ありがとうございます〜!頑張ります! (12月2日 13時) (レス) id: 91e5f72c7d (このIDを非表示/違反報告)
碧葉(プロフ) - もう…一目惚れしました!!大好きです!これからのお話楽しみにしております! (12月2日 9時) (レス) @page7 id: 9218f5d455 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななか | 作成日時:2023年11月30日 1時

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