六龍 Ⅲ 【ars】 (ページ27)

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【 125 】正体は、ページ27

S side

ひとまず、Aを部屋に残したまま智くんをリビングに雅紀と二人掛かりなのに手こずりながら連れ出す

潤がAの部屋の扉を閉めると同時に

潤「今のどういう事？」

智「どういう事じゃないだろ、なんでみんな気づかないんだよ」

雅「…確かに松潤と翔ちゃんは怪しんでたけど………どう見てもAちゃんだよ？」

智「違う。反応も、態度も、少しだけ口調も違う。Aの話口調を真似てるだけだよ」

和「…声と顔は？」

智「あいつに聞けば？今の時代なら簡単だと思うけど」

イラつきながら答える智くんはずっとAの部屋を睨みつけてる。

智「……悪いけど、離して。Aちゃんの居場所あいつに聞かないと」

翔「…殴らない？」

智「場合による」

翔「智くん、」

潤「俺たちもそばにいればなんとかできるだろ。
俺と翔さんだって直感では変だなって思ってたんだしさ」

翔「うん…」

俺と雅紀が手を離すと同時に立ち上がって扉を開ける

追いかけていくと智くんの方を顔だけ向けて怯えた表情のA。

…中身がもし違う人物なんだとしてもAの顔と声だから嫌な気分になるんだよな、そういう表情されるとさ

はぁ…と、ため息を吐いたのと同時にAの心の中らしきものが流れて来る

『なんなの？バレた？だとしてもこんないきなり普通殴る？！
それともあいつは元々こうやって殴られてたとか？…いや、お姫様扱いされてたからそれはない。
じゃあやっぱりバレた？最悪じゃん』

翔「…バレたって、何が？」

「へっ？」

智「…おいAはどこだ」

「わっ私はここにいるじゃないですか」

智「見え透いた嘘つくな、それとAの顔でその表情もするな気持ち悪い」

「なっ、」

【気持ち悪い】と、吐き捨てるように言いながらAの顎を下から片手で掴み上に向ける

ジーーーッと眺めてから

智「…整形か」

翔「はっ？」

智「Aの顔そっくりに整形したんだろ。お前」

「そんなわけ…」

智「少し前の態度からして…はっ、お前照か、」

「っ！」

片方の口角だけあげて鼻で笑う智くんとは対照に顔がどんどん青ざめていくA

……確かに、あの女の態度なんだとしたら納得がいくな。

潤「うわ…まじで？」

「ちがう、違います！私はAです！私がAなんdっゔっ…」ドサッ

智「もういいよ、うるさいから黙ってろ」

智くんの冷たすぎる目は、何を考えてるのか全くわからなかった。