六龍 Ⅲ 【ars】 (ページ17)

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【 115 】禿げるページ17

I side

………今頃、Aさんはどうなっているんだろう。

何回も悪い想像をして、

いやいや、そんな事ない！きっと…。

…なんて心の中で何回も否定する。

運「着きました」

斗「ありがとう」

とりあえず…

バタンッ

…あの人達にはどう言えば1番良いんだろうかなぁ。

はぁ。
俺もうハゲちゃいそう。。。

・

・

リビングに上がるとコタツの所に座って待っていた様で、俺の姿を見るなり

智「…おいAちゃんは」

…あなたさ～、そんなドスの効いた声出せるの～？
めっさ怖いよ～？
泣いちゃうよ～～？

翔「うるさい。で、Aは一緒じゃないのか？」

斗「……Aさんはしばらく戻れません」

和「は？なんで」

斗「…良いように言えば、任務です」

和「悪いように言えば？」

斗「その……身代わり、ですっ、ちょっ」

言い切るのと同時に襟元を掴みあげられ息がしにくくなる

この人、俺より身長低いのに…っ

智「どういう事だ。なんの身代わりだっ！」

斗「ゆっ、か…のっ」

智「はぁ？床？」

翔「智くん落ち着いて。息もちゃんと出来てないし一回離そ？」

智「………。」

斗「かはっ、っ、…はぁ……昨日の朝に黒田議員の元へ匿名の電話が入って。
それが、黒田議員の1人しかいない孫娘を誘拐したというもので…」

雅「えっ！」
智「で？」

斗「返す条件として、AAを出せと言われたそうです」

潤「…なんだよ、それ」

斗「分かりません。どういった目的なのかは知りませんが…」

智「で。まさかもう差し出したのか？」

斗「…夜中の12時に犯人側と約束していたみたいで」

雅「なんで…なんで、俺らに教えてくれなかったんだよ！こういう時こそ俺らの出番でしょ？助けられたかもしれないのに！！」

斗「…Aさんが翌朝に伝えてくれと」

翔「そんなもん…そんなの無視して伝えればよかっただろ！俺らに！」

斗「万が一のことを考えれば！！…仕方がなかったんです。俺だって…

……俺だって！行かせたくなんてなかったですよ！止めました、止めたけれど！…それでも、『私が桃華ちゃんを助ける』って…」

皆「「「……。」」」

雅「…Aちゃん、結構子供好きだもんね」

潤「正義感も無駄に強いしなぁ～」

和「ま、勝手によく突っ走っていきますよね」

翔「それは潤とも似てるだろ」

潤「ちょっ、翔さん～」

翔「………で？…どうするよ」