【 113 】交換 ページ15
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約束の場所に着き、黒田さんと車内で待っているとかなり大きなワゴン車が4台
いやいやいや。
「4台って……」
黒「多いな」
「まぁ敵の数もそれだけ多いって事ですね」
なんて呑気に話しているとベタに黒スーツにサングラスをした男たちが桃華ちゃんらしき女の子を連れて車からゾロゾロと降りてくる
黒「……降りようか」
「はい」
扉を開けると海辺だからかムワッとした少しの熱気と潮の香り。
もう秋なのにまだ蒸し暑いな…
男「AAだな？」
「…はい」
男「こっちへ来い」
「先に桃華さんを返してください。…どうせあなた達のその人数なんですから逃げられませんし？」
男「……目隠しを外して向こうへ」
部「はっ」
目隠しを外された桃華さんは眩しそうに瞬きを繰り返し辺りを見渡す
桃「おっ、お爺様っ」
黒「桃華っ！」
桃「怖かったです…っ」
黒「すまない、本当にすまなかった」
2人が抱き合っている内にこの中のリーダーであろう男の前まで歩き出す
…身長高いな。
男「…肝が据わってるな」
「内心はビクビクしてますよ？」
男「ふっ笑」
「一つよろしいですか？」
男「なんだ」
「バックについてるのは結構な大物ですか？」
男「……さぁな。車に乗れ」
「あれ、目隠しとか手を拘束するとかしないんですか？」
男「それは車から降りたらな」
「なんだ……」
男「…いや、なんで残念がってる」
「いやぁ…拉致されてる感味わったことないんで」
男「ほとんどの人がないだろ」
「まぁそうなんですが…」
男「……聞いていた性格とまるで違うな」
「え？なんですか？」
男「なんでもない。さっさと乗れ」
「はい」
翔さんと違って相手の目を見ないと心の読めない私ではサングラス相手のこの人らの中を読むことができなかった。
…翔さんの言う通り鍛えとけばよかったな……
私が乗り込んだ車にはリーダーっぽい男の他に運転手のみ。
…それにしてもこの男、私に対して敵対心みたいなものが一度も感じないのはなんなんだろう…？
男「一つ言うが、覚悟しとけよ？」
「はい？」
男「幹部の奴らはあんたを拷問するとか言ってたから」
「はぁ…それ言っていいんですか？」
男「いいだろ」
「いいんだ」
男「…閉じ込められた際、あんたの身の回りは俺がする事になってるから」
「そうなんですか、よろしくお願いします」
男「(…なんでこんなに危機感がないんだ……)」
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作者名：ハルvolleyball | 作成日時：2018年6月6日 13時
