不死川邸 ページ19
「帰った。Aの具合はどうだ。」
自分の屋敷に戻り、使用人に声をかける。
「おかえりなさいませ。…まだ眠っておいでです。」
合同任務の後、気を失ったAを自分の屋敷に連れ帰った。
なぜお館様のお屋敷に送り届けなかったのか。
自分でも説明がつかないが…ここで帰してしまったらいけない気がしたのだ。
「なにやってんだ俺はァ…。」
最初は匡近の面影があるからだと思った。
でもあの日、ぼろぼろと涙を流す空色の瞳、頼りない肩、頬の傷もすべて含めて、美しいと思った。
もっとAのことが知りたい。
抗いようがなくAに惹かれている。
女に対してそんなことを思ったのは初めてだった。
Aが寝ている寝室の前で軽く襖をたたく。
中からは「どうぞ」と声がした。
「悪りぃなァ胡蝶。どうだ？」
「少し落ち着いたようですよ。少なくとも出血は止まりました。」
Aの上にかがみこんでいた胡蝶しのぶが振り向いた。
「でも驚きましたよ。口外せずに今すぐ来てほしいなんて、何事かと思いました。…どういうワケですか？」
ふふふ、と笑うしのぶ。
「……詮索はしねぇ約束だろ。」
俺はそっぽを向いて誤魔化した。
「ふふふ…いいですよ。良い貸しができましたから。」
蝶の飾りを揺らし、楽しそうに笑った。
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まるこ(プロフ) - 蝶々。さん» ありがとうございます。 嬉しいです！ もう少しだけ続きますので、宜しければ見届けてやってください。 (2020年6月13日 16時) (
レス) id: d44de4af2e (このIDを非表示/違反報告)
蝶々。 - .とても素敵な作品でした...。長男’ｓ…尊。次回作あったら見に行きますぅぅ！（泣） (2020年6月13日 16時) (レス) id: 99cfbd2b16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるこ | 作成日時：2020年5月25日 23時
