合同任務 �� ページ17
柱合会議から3日後、戌の刻。
わたしはじゃまにならぬよう髪を高く結い、動きやすい服装に着替える。
普段はあまり使うことのない日輪刀を腰に差す。
鬼を殺すには陽光か日輪刀で首を斬るしか方法がないと聞いて。
輝哉様にお願いして、刀鍛冶を紹介してもらったのだ。
襖が細く開かれ、あまね様の声がした。
「失礼いたします。A様。風柱様がお見えです。」
『こほっ…はい。』
先日雨の中出歩いたためか、少し風邪を引いたかもしれない。
不死川さんと会うのはあの日以来。あんなに泣いた手前…ちょっと決まずい。
門を出ると、背の高いその姿が暗がりに立っていた。
「よォ。今日は泣いてないんだなァ。」
わたしを見るとニヤッとして、大きな掌で頭をぽんぽん、とたたかれた。
『…忘れてください。』
軽く睨むと、不死川さんは「行くか。」と微笑んだ。
陽が落ちた街は、昼とは違う賑やかさに溢れている。
今のところは特に異常はなさそうだ。
「とりあえず様子見だな。」
と言われ、効率を考えて二手に分かれようとすると止められた。
「一緒にいろォ。それとも俺と一緒にいるのは嫌か。」
嫌じゃないけど気まずいです、とは言えず、やむなく一緒に行くことになってしまった。
おにいちゃぁん、という声がして振り向く。
幼い少年が笑顔で後ろを振り向き、追いかけてきた少女に転ぶなよ、と声をかけていた。
その様子を両親が優しく見守っている。
”兄ちゃんまって！”
”A、そんなに走るとまた転ぶぞ。”
幼いころの記憶が蘇る。
大切な家族がいて、楽しいことだけど考えていられたあのころ。
ぼんやりしていたら不死川さんに腕を引かれた。
「おい、ぼんやりしてると危ねぇぞ。」
『あ…すみません。』
そうだ、任務中だった。ぼさっとしていたら不死川さんに迷惑かけちゃう。
気を取り直して視線を向けると。
不死川さんが立ち止まったまま、じっとわたしの方を見ている。
なんだろう。
わたしなんか変かな？
「…大丈夫かァ？ あんまり顔色良くねぇぞ。」
目を細めてこちらを見ている。
そういわれると、少し身体がだるい気もする。
『…大丈夫です。お気遣いありがとうございます。』
心配させまいと笑顔を作る。
しかし不死川さんの表情は変わらない。不意に頬に手を当てられた。
「…お前も匡近と一緒だ。他人に気ばかり遣う。俺には気を遣うな。」
『え…。』
戸惑っていたら、突然街に「キャーッ！！！！」という叫び声が響いた。
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まるこ(プロフ) - 蝶々。さん» ありがとうございます。 嬉しいです！ もう少しだけ続きますので、宜しければ見届けてやってください。 (2020年6月13日 16時) (
レス) id: d44de4af2e (このIDを非表示/違反報告)
蝶々。 - .とても素敵な作品でした...。長男’ｓ…尊。次回作あったら見に行きますぅぅ！（泣） (2020年6月13日 16時) (レス) id: 99cfbd2b16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるこ | 作成日時：2020年5月25日 23時
