鬼を連れた少年 �� ページ13
空は明るく、空気は澄んでいる。
髪を結い、軽く化粧を施す。
兄さんからもらったお気に入りの帯を締めた。
”戌の刻、実弥が迎えに来る。”
”最近なぜか街はずれに鬼が出るという噂が絶えない。それほど階級のある鬼ではないとは思うが…様子を見てきてくれないか。”
お館様から言われた日は、3日後の戌の刻。
任務の前に1度、あの男の子…竈門炭治郎といったか。
会っておきたいと思った。
今はケガの治療で蝶屋敷にいるらしい。
歩きながら考える。
あの人は不死川実弥というのか。
柱合会議での出来事を思い返す。
わたしを慰めてくれた優しい掌。一転して憎しみに燃えていた瞳。
同じ人とは思えないほどの変わりようだった。
彼の過去に何があったのか。
稀血のこと。
聞いてみたいことが沢山ある。
そして、私自身のことも話したい。
……………………
『ごめんください。』
蝶屋敷の前で呼び鈴を鳴らすと、白い前掛けをした利発そうな、2つ結びの女の子が顔を出した。
「はい！どちら様ですか？ …あ、どうぞ。」
名乗る前に門が開いた。
輝哉様が話を通しておいてくださったようだ。話が早くてありがたい。
わたしは一礼し、中に入った。
「こちらです。」
女の子が案内してくれる。
産屋敷家には及ばないが、すごく広いお屋敷だな。
医療に精通しているのだろう。薬品の匂いがする。
「どうぞ。」
女の子は1つの部屋の前まで来ると、扉に手をかけた。
なんだろう…ずいぶん賑やかだな。
中に入ると、金髪の男の子とイノシシの被り物をした男の子がギャーギャー言い争いをしていた。
それを炭治郎くんがなだめようとしている。
「なに騒いでるんですか！！」
あ、あの女の子に怒られてる。
「すみません、アオイさん。」
なぜか謝る炭治郎くん。
「……うるせぇな。もう少し静かにしてくれよ。」
隣のベッドから不機嫌そうな声がして、もそりと男の子が顔を出した。
ベッドわきの薬袋を何気なく見ると、〈不死川玄弥 様〉と書いてある。
不死川って珍しい苗字だけど、もしかして身内？
良く見ると目元も似ているような…。
『あの……ッ！！？』
ボフッ！！！！
聞いてみようと声をかけた瞬間。
金髪の子が投げた枕が、わたしの顔にクリーンヒットした。
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まるこ(プロフ) - 蝶々。さん» ありがとうございます。 嬉しいです！ もう少しだけ続きますので、宜しければ見届けてやってください。 (2020年6月13日 16時) (
レス) id: d44de4af2e (このIDを非表示/違反報告)
蝶々。 - .とても素敵な作品でした...。長男’ｓ…尊。次回作あったら見に行きますぅぅ！（泣） (2020年6月13日 16時) (レス) id: 99cfbd2b16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるこ | 作成日時：2020年5月25日 23時
