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Mizuki said
名前は子供扱いしないで!とぷりぷり怒っていたが、
いつも名前が眠るまで見届けてから
部屋を後にするのは俺が好きでやっていることだった。
たくさんの薬を用途ごとに小分けにして引き出しにしまった。
ベッドに眠る名前の頭を撫でるとくすぐったそうに身を捩る。
ふと、優斗から連絡がないことを思い出す。
名前はご飯を作って待っていたわけだし
連絡1つくらい出来るだろうと少し腹立たしくなった。
呼び出しは意外にも早く繋がった。
瑞「おい、優斗。
どうしたんだよ、今日。」
眠る名前を起こさないよう小声で話す。
でも、優斗はそんな俺より、細い声で電話に応じた。
優「瑞稀くん、、
俺、どうしたらいいかわかんねぇよ。」
瑞「え?なに?
どういうこと?」
優「俺はさ、
確かに作ちゃんに怒ってるけど、作ちゃんのこと
今でも親友だと思ってるし。
作ちゃんの味方でいたい。」
瑞「え?さっきから何の話?
作間??
作間と連絡取れたの??」
優「瑞稀くん。
瑞稀くんだけは、名前の味方でいて。
俺が名前に嫌われても、
瑞稀くんは側を離れないで。あいつを守って。」
瑞「名前が優斗を嫌うはずないだろ。
何があったんだよ。」
状況が掴めず前のめりになる俺を置いて、
優斗の電話は切れた。
優斗は作間と接触した??
今日?
頭の処理が追いつかないまま、名前の方を振り返る。
彼女は変わらず穏やかに眠っていた。
布団から出ている手を中に入れようと側に寄る。
小さな手は冷え性で冷たくなっていた。
なんだか彼女が消えてしまいそうで、
ぎゅっと手を握る。
絶対に俺だけは側に居るから、
髪を撫でて誰にも気が付かれないように
キスを落とした。
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作者名:榛遥 | 作成日時:2021年12月22日 0時