定家葛5 (ページ10)

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90輪目ページ10

「そういえば何話してたんです？」

「何って」

「一緒にいた人とですよ」

自宅に着きリビングに入るとそんな事を聞かれる。

「仕事のことですかね、手際とか」

「嘘は駄目ですよ」

「あー…耳良いんでしたっけ…」

わかってるなら聞かなくてもいいのにと思いながら質問に答えた。

「好きと言われました。それだけです」

「返事は？」

「してないですよ」

「断ってください」

「え、はい」

相当気に触ったのかかなり不機嫌。

「あの…そんな機嫌損ねなくても…」

「はぁ…分かってないですね…」

その言葉と同時に肩を掴まれ背中に柔らかい感触を感じた。

何故ベッド。

瞬間移動で私の寝室のベッドに移動し彼に馬乗りにされる。

「貴女を他の男に譲る気は毛頭ないです」

「私が他の人を好きになったらどうするんです？」

「絶対駄目です」

彼に似合わない少し焦った顔。

「冗談です。貴方以外を好きになることは無いですし他の人の所に行く気もないです」

私の言葉に安心したのか嬉しそうな顔をする彼の首に腕を回す。

そんな幸せな2人の関係に峰島くんのある行動で亀裂が入ってしまう。