旋律。【OS】 (ページ9)

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Y:特殊な子ページ9

松本くんから紹介された、って聞いて…。

松本くんにも大野くんのことを聞いて、情報収集。

自閉症だ、って聞いて、家の資料をひっくり返した。

学生時代には、自閉症とか障害を持ってる子の扱い方とかいっぱい勉強してたんやけど…。

相談員の名にかけて、絶対に心まで見てやる、って思った。

けど、本人を前にしてしまったらやっぱり戸惑ってしまう。

潤がいい、潤がいい、と大野くんは俺に送ってくる。

本当は1対1がいいんだけど、今回はしょうがない。

勉強中だった松本くんに声をかけて、来てもらう。

大野くんは、松本くんにどれだけ心を開いてるんだろう。

場合によっては、学校に返した方がいいのではないか…。

松本くんは、大野くんを見つけるとたたたっと寄っていって、何かを話してる。

過呼吸をおこしそうだった大野くんは、パッと視界に松本くんが入ってきてくれたのが相当嬉しかったのか、抱きついている。

松本くんが、大野くんの椅子に座らせて、紙とペンを貸してくれ、と言ってくる。

俺は、さっき大野君が座っていたとこに座って質問。

松本くんも一緒に考えてくれて時々笑顔も見れる。

『翔くんは、今どうやって起きてるの？』

質問を送って、大野くんを見ると「分からない」って顔。

そこは松本くんがフォローしてくれて、ゆっくり意味をそのままの言葉で伝えてくれる。

うん…書いてた。

自閉症の子は遠回しに言っても分からないから命令するみたいに具体的なことを言わないと駄目なんだって。

『じゃあ、また。次は月曜日の午後一時間だね。』

バイバイ、と手を降ると振り替えしてくれはしなかったが、こちらをジーッと見てた。

ふふ、あとで松本くんに話を聞こうっと。