蒼剣【創作】4 (ページ47)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:5,057 hit

練習ページ47

模擬練習といえど…人が殺せる剣を扱うのは緊張感を持つため…

「せいっ！」
ガキン！剣が音を立てて弾き返される。
「力任せに振り回すな！」
「もう一度だ！！」
ハヤトとアレフが剣を振っている。
アレフは実戦で使う大剣と同じ大きさ、同じ重さの大剣だ…
「掠りでもしたら真っ二つとか…」
やりすぎでしょとルクスは思っていた。
キモを冷やすとはこの事なのだろうか…
「せぇりゃあああっ！」
キンッ！防がれたハヤトの手から離れた剣はクルクルと回転して地面に刺さる。
「少し休憩するか？」
アレフはやれやれとハヤトに休憩を進めるが、ハヤトは
「まだまだあ！」
立ち上がり剣を持つ。
「剣の素質ないのよね…あの子」
リヴァは壁に寄りかかりながら稽古をみていた。
「剣に適性がないだけで他はあるかもよ？…それとも、アレフは分かってて剣を握らせてるのかな…｣
ルクスは剣だけをみてリヴァと会話する…
「さぁ、どうかしら…魔法もダメだし剣も…」
ハヤトが唸る、
「だぁー！もう！師匠俺剣は嫌だよ！上手くならねぇし！」
「じゃあ肉弾戦か？それこそ危険だし無謀だ」
「やって見なきゃわかんねぇだろ！」
剣を捨て、拳でアレフと対峙する。
…が、拳は空を掠めるばかりで届きはしない。
「腰が引けてるぞ？」
届いたと思った一撃は軽く流されてしまう。
バランスを崩したところでアレフに右腕を捕まれ地面に押さえ付けられる。
「お前には不利だろう？魔法も使えないならここから抜け出すのは不可能に近いぞ？」
「師匠は正論ばっかで打開策を教えてくれないからだろ！？」
「なら教えてやる、手放した武器は二度と使えないと思え。敵に背を向けるな」
「敵に背を？それじゃわかんねぇよ！」
ハヤトを離し立たせる、するとアレフも剣を地面に置いて。
「かかってこい」
リヴァは驚いていた、アレフはあまり肉弾戦を好まない…
「手加減できるのかしら…」
「あ、もしかしてハヤトってこ…普通の人間？」
あ、まずいんじゃないか…とルクスは思った
「まず、利き足から踏み出せ」
「はい！」
「全体重をかけると外した時に重心が崩れる、慣れないうちは速さで殴るようにしろ」
風を切るように放つ拳。
「はい！」
「素人が相手なら背後を取れ。玄人が相手なら敵がこちらを舐め腐ってるのを利用しろ」
「舐め腐ってなかったら？」