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『でさ、中島が〜』
「なにそれ(笑)。面白いね。」
『でしょ?』
あれから暫く寝ていたのか、起きた時にはもう勝利は居なかった。
お母さん曰く、"本音は移りたくないんで(笑)" なんて言って帰ったらしい。
そうだよね。勝利に熱が出たら私も心配してしまう。
そして、夜になった今は風磨と電話中。
『熱、どう?』
「うん。もう下がり始めてる。本当に今日はごめんね。」
『ううん。謝らないで。俺も中島と久々に話せて楽しかったし。』
「それなら良かった。風磨も体調気をつけてね?」
『分かってる。』
健人先輩からは、相当楽しかったのか、"ありがとう!!マジで感謝してる!!!!" なんて珍しくハイテンションなメッセージが届いていた。
「風磨は放っておいたら、すぐ食べなくなるんだから。」
『Aちゃんの飯が美味すぎて、他のもの食べれないからさ。』
「...嘘つけ。」
正直、嬉しくて恥ずかしかったことは、電話越しだから伝わっていないことを願う。
『そろそろ、寝る?』
「うん。まだ本調子じゃないし。」
『だよね。』
「なに?寂しいの?(笑)」
『違ぇよ(笑)』
心なしか、声が寂しそうに聞こえるのは気のせいか。
「...好きだよ、風磨。」
『急にどうした?』
「別に?言いたくなっただけ。」
ふふっ、と電話越しに笑う風磨は、きっと手を口元に当てて照れているはずだ。
『俺も好きだよ。』
嗚呼、やっぱり風磨の声には 中 毒 性 がある気がする。
普段はそんな事ないのに、好きを伝えてくる時は、甘くて、脳が蕩けてしまいそう。
「うん。好き。」
『ははっ、俺がね?』
「風磨が好き。」
『ん、俺もAちゃんが好き。早く元気になって帰っておいでね。』
「うん。待ってて。」
数日間だけだけれど、会えないからこその不安を、風磨はいとも簡単に埋めてくれる。
『じゃあ、おやすみ。』
「おやすみ。」
電話を切って、布団を被り直し、風磨の声と顔を思い出しながら、早く良くなりますようにと願って、眠りについた。
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作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時