155 ページ35
Fuma
「中島?」
「お、おう。」
クリスマス当日。
Aちゃんが熱を出したらしく、ドタキャンされてしまった。
まぁ、理由が理由だし、本当に辛そうだったから、嘘じゃないんだろうけど。
少し、残念に思っている自分が居た。
「どうして?」
「渡辺さんにお願いされた。」
"とにかく待ち合わせ場所まで行って!"
なんてAちゃんに言われたから来てみたら、中島が居た。
「Aちゃんが?」
「うん。クリスマスに風磨1人は可哀想。って。」
「男2人の方が惨めだろ(笑)。」
そう笑った俺に、中島は乾いた笑いを返した。
「で、何する?」
「さぁ〜?店キャンセルしちゃったし。」
「カラオケか?」
「あー、あり。なんなら今から家帰って酒飲むのもあり。」
「まだ昼の2時だぞ(笑)。」
「クリスマスマジック?」
「何か違う気がする。」
ふざける俺になんだかんだ乗って、コンビニで大量の酒とアテを買ってるあたり、さすがだわ。
「あー、それAちゃんと見る予定だったやつー。」
「やらしーの見るなよ(笑)。」
夕方頃にはもう出来上がっていた俺と中島。
男2人でクリスマスに昼から酒って、やっぱりクソ惨めだわ。
「いいじゃん。見ようよ。」
「まぁいいけどさー、それ R 18 だからな?」
「男2人でそれ見るのキツイなー。」
なんて言いながらも、俺の家の事をよく知る中島は慣れた手つきでDVDデッキを操作する。
「ちょ、トイレ〜。」
再生ボタンを押した中島は席を外した。
中島は字幕派だから、吹替派の俺はここぞとばかりに設定を変えた。
まぁ、戻ってきて速攻字幕に戻されたけど(笑)。
.
2327人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時