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Kento
「それが理由で別れたのか？」
「だって楽しくなきゃ意味ないじゃん。」
「知るか。」
"今日不機嫌悪いなー。どうした？" なんてなんにも気付いていない風磨は聞いてくる。
まぁ気づかれても困るんだけど。
その返事に "悪くねぇよ。" なんてテキトーに返した。
「中島なんで彼女作らないの？モテるのに。」
「は？」
「みーんな言ってるよ。付き合うなら俺か中島だって。」
「へぇ。」
そんなのに選ばれたって、ちっとも嬉しくない。
...まぁ、風磨自身は満更でもなさそうだけど。
「あ、分かった。」
俺はこんなのに恋をしているのか。
なんて、思う日も少なくはない。
「もしかしてさ、女じゃなくて、」
4年もだ。
「男が好きだったりして？」
風磨は俺の顔を覗き込んで、何かを楽しんでいるかのような笑みを浮かべていた。
距離が近い。辞めろ。
「バカ。ありえないから。」
「だよなー。俺も普通に女のがいいわ。」
「...うん。」
そんな事、知ってる。
「それでさー、アイツ超音痴で(笑)...」
その日の帰りはずっと風磨の親友、田中樹くんの話をしていたけれど、全く頭に入ってこなかった。
あー、そういやなんか今日放課後に〜って言ってなかったっけ？
「今日なんか用事あったんじゃなかったのか？」
「あー、なんか中島元気無かったし、また今度でいい。」
あー、ほら。
こんな事だけでまた心臓の奥がギュッとなる。
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作者名：はる | 作成日時：2018年3月3日 19時
