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Kento









「あ、ねぇあれ中島くんだよ。」

「ほんと綺麗な顔してるよね。私勝てない自信しかない。」

「分かるー!かっこいいんだけど可愛い感じ...」









中学の頃から、自分の恋愛対象が男だということを自覚した。

当時はもちろん彼女も居たけど、なんだか違うくて。









「でもかっこよさで言ったら菊池くんじゃない?」

「え、菊池くん後輩じゃん。」









高校2年になった時、教室で女子がそんな話をしていた。

菊池風磨は俺のひとつ下の幼馴染。

"色々巻き込まれると面倒だから中島と同じ高校にした" なんて彼の言葉を俺は心底喜んだ。









「でも付き合って欲しいなんておこがましくて言えないよね〜。」

「意外と先輩からの圧を感じてOKしてくれるかもよ?」









おーい、風磨。

お前先輩に狙われてるぞー。



なんて他人事のように思いながら窓の外を眺めていた。









「中島ー。」









すると教室の扉の方から俺を呼ぶ声が聞こえた。









「わ、菊池くんじゃん!」

「あ、どうも。中島いますか?」

「中島くんならあそこ...」









ドア付近に居た女子が顔を赤らめているのには目もくれず、風磨は俺の元へ一直線に来た。









「お前さぁ、ここ2年の教室だぞ?」

「知ってる。そんなことよりさ...」








風磨が今日の放課後に〜ってなにか話しているけど全く頭に入ってこない。









「ほんと2人が並ぶと眼福〜♡」

「分かる!2人が幼馴染でよかったぁ〜!」









なんて女子のうるさい声が聞こえてくる。









「中島?聞いてる?」

「あぁ。」









俺は恋をしている。

現在4年目の片想い継続中だ。









「ってことだから、よろしく!」









相手は小柄で可愛い学園のマドンナ。

だったら良かったと思う。









でも実際は、俺よりデカくて、全然可愛くのない

幼馴染の男だ。









.

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作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時

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