133 ページ13
.
「あ、つけてるじゃん。」
私の髪を耳に掛けて、ピアスを優しく撫でる。
「つけろって言ったの誰よ。てかガッツリこれ束縛アイテムだし。」
「あれ、ほんとだ。まぁ、Aちゃんは一応俺のもんだし。」
「一応ってなに?」
「わざわざ突っ込まなくていーの。」
家に帰って来て、2人ソファーに並んで呑み直し。
風磨がね、"お誕生日おめでとう" だなんて私が生まれた年のワインをプレゼントしてくれた。
「あれ?ふーちゃん、これは独占欲なのかな?」
「ふーちゃんって言うな。」
「へー、ふーちゃん、独占欲とかあるんだ。」
「だから!」
「はいはい。」
「いいから。それつけといて。俺のってシルシだから。」
めっちゃキメ顔で言ったくせに、耳まで真っ赤。
かわいい。
なんて言ったらもっと怒りそうだから、言わないけど。
「なにニヤニヤしてるの?」
「ん?んーん。なんでもない。」
「変なの。Aちゃんらしくない。」
さっきまで風磨が触れていたピアスに、自分も触れる。
風磨がくれたピアスのモチーフは、星。
星の中に、小さな紫の石が埋め込まれているもの。
ピアスに意味なんてあるのかと思っていたけれど、あの日樹さんにこっそり教えられた。
"風磨に知ってる知識全部吹き込んどいた。"
って。
やっと、意味が分かった。
星の意味は、"希望の象徴"
幸運の扉を開く、なんて言われているらしい。
「ふーちゃんは、ここ開けないの?」
「んー、王道なの嫌でさ〜。」
「なるほどね。私は王道だと。」
「いや、いいじゃん。女の子があんまり変なとこ開けてるの苦手だし。」
風磨が唯一開けている、右の軟骨のピアスに触れた。
そこには私とデザイン違いのゴールドの星のピアスが、綺麗に輝いていた。
「"いつでも自分の存在を感じてもらいたい。"」
「ん?」
「ピアスをプレゼントする意味。」
「え、なにそれ。俺女々しくない?」
「あら、今気づいたの?」
ケラケラと笑っていると、風磨は拗ねてしまった。
「でも、割とそういうの好き。」
「そうなの?」
「うん。大事にされてるって感じ。」
そう言うと風磨は嬉しそうに笑った。
.
2327人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SexyZone」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時