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「あ、つけてるじゃん。」







私の髪を耳に掛けて、ピアスを優しく撫でる。








「つけろって言ったの誰よ。てかガッツリこれ束縛アイテムだし。」

「あれ、ほんとだ。まぁ、Aちゃんは一応俺のもんだし。」

「一応ってなに?」

「わざわざ突っ込まなくていーの。」









家に帰って来て、2人ソファーに並んで呑み直し。

風磨がね、"お誕生日おめでとう" だなんて私が生まれた年のワインをプレゼントしてくれた。









「あれ?ふーちゃん、これは独占欲なのかな?」

「ふーちゃんって言うな。」

「へー、ふーちゃん、独占欲とかあるんだ。」

「だから!」

「はいはい。」

「いいから。それつけといて。俺のってシルシだから。」









めっちゃキメ顔で言ったくせに、耳まで真っ赤。

かわいい。

なんて言ったらもっと怒りそうだから、言わないけど。









「なにニヤニヤしてるの?」

「ん?んーん。なんでもない。」

「変なの。Aちゃんらしくない。」









さっきまで風磨が触れていたピアスに、自分も触れる。






風磨がくれたピアスのモチーフは、星。

星の中に、小さな紫の石が埋め込まれているもの。







ピアスに意味なんてあるのかと思っていたけれど、あの日樹さんにこっそり教えられた。

"風磨に知ってる知識全部吹き込んどいた。"

って。









やっと、意味が分かった。


星の意味は、"希望の象徴"

幸運の扉を開く、なんて言われているらしい。








「ふーちゃんは、ここ開けないの?」

「んー、王道なの嫌でさ〜。」

「なるほどね。私は王道だと。」

「いや、いいじゃん。女の子があんまり変なとこ開けてるの苦手だし。」









風磨が唯一開けている、右の軟骨のピアスに触れた。

そこには私とデザイン違いのゴールドの星のピアスが、綺麗に輝いていた。









「"いつでも自分の存在を感じてもらいたい。"」

「ん?」

「ピアスをプレゼントする意味。」

「え、なにそれ。俺女々しくない?」

「あら、今気づいたの?」









ケラケラと笑っていると、風磨は拗ねてしまった。









「でも、割とそういうの好き。」

「そうなの?」

「うん。大事にされてるって感じ。」









そう言うと風磨は嬉しそうに笑った。









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作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時

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