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大学を出ると、見覚えのある車が止まっていた。
私はその車の助手席の窓をノックする。
すると鍵が開く音がして、私は車に乗り込んだ。
「今の、なんかカップルっぽかった。」
「そう?友達の車でもやるけど。」
乗り込んだのは、風磨の車だ。
「で、どこへ連れて行ってくれるの?」
「教えない。でもね、連れて行きたい場所はふたつある。」
前を向きながら運転する風磨の横顔を見て、やっぱりかっこいいなって思う。
「とびっきり素敵な所へ連れて行ってね。」
「お任せください。」
とってもとっても安全運転だった風磨。
"大切な人を乗せてるのに誰が荒々しく運転するんだよ(笑)" だって。不覚にも照れてしまった。
「ひとつめは、ここ。」
車をパーキングエリアに止めて、そう言った風磨が立ち止まったのは、ブランドに疎い私でも分かるような有名ブランドのお店の前。
「ここで何するの?」
「ん?可愛いAちゃんをもっと素敵にしてもらうの。」
「あー!風磨くんやっと来た!」
風磨の言葉にまたキュンとしていると、奥から高身長のイケメンが来た。
「もう!待ちくたびれたんだからね!」
「悪かった悪かった。あ、Aちゃんごめんね?コイツはマリウス葉。ドイツとのハーフ。」
「君がAちゃん?よろしくね!」
マリウスさんは、眩しすぎるくらいの笑顔を私に向けた。
「お前の今日の仕事はAちゃんを素敵にする事だからな?分かってる?」
「分かってるよー。ほら、Aちゃんこっちこっち!」
マリウスさんは、私に手を差し伸べた。
あー、エスコート出来るタイプ。さすが外国人。ヨーロッパ勢。さすが。
「お前、変なことしたら ぶ っ 殺 す からな。」
「もー、風磨くん怖いよ!」
そう言いながら風磨もマリウスさんも笑っているから、2人の仲は親密なんだろう。
マリウスさんは戸惑う私の手を引き、そのまま店の奥へと連れて行った。
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作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時