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「でさ〜、クリスマスはさ、こういうの考えてる。」
「ん〜!いいじゃん!」
「ほんと?喜んでくれてよかった。」
健人先輩の告白から2週間。
あの話を聞いて健人先輩の印象がどう変わるという訳でもなく、むしろ、前より良好な関係になったと思う。
「なんかさ、幸せだわ。」
「なに?急に。」
「俺、誰かとこうしてクリスマスを過ごした事って無いからさ。」
「そうなの?」
「あぁ。中島はクリスマスとか自分の誕生日ですらバイト入れちゃう奴だからさー。」
「ふーん。」
それはきっと...なんて言おうとして辞めた。
「でも、楽しみ。私もクリスマスにはいい思い出ってあまり無いから。」
「ふふ。これからは2人で沢山思い出作っていこうね。」
「そうだね。それがいい。」
2人でソファーに並んで座り、風磨の携帯を覗き込みながらクリスマスの予定を立てる。
もう、後1週間も無いくらいだ。
こんなにもワクワクしているのは、いつぶりだろうか。
「あ、そうだ。明日から暫く実家に帰るね。」
「どうして?」
「年末は何かと忙しくて帰れないかもしれないから。勇樹にも挨拶しなきゃ。」
「そっか。そうだよね。」
少ししゅんとしたように見える風磨の顔を覗き込んだ。
「なに?ふーちゃん寂しいの?」
「ふーちゃんって呼ぶな。」
「ふふ、寂しいんだ。」
私が弄ると、怒ったのか立ち上がり、煙草を持ってベランダへ出た。
「もー、風磨ごめん。怒らないで?」
なんて、いつもはしないけど、私から抱きついてみた。
すると、風磨は煙草に火を付けようとしていた所で、"危ないじゃん" なんてまた怒られてしまった。
「私より煙草なの?」
そう言うと、風磨は突然固まってしまった。
「風磨?」
「もう何?その殺文句。狡いわ。」
そう言って、煙草なんて放り出して強く抱きしめ返してくれた。
「あー。好きな人に抱き締められるってこんなにも幸せな気持ちになれるのか...」
なんて言ってまた力を強くするから、少し苦しくなった。
それでも、なんだか風磨が愛おしく思えて、暫くはそのままでいた。
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作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時