ノンフィクション。Fuma.K 4 (ページ32)

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「...って訳なんだよね。」

言葉に出来なかった。

健人先輩がどうして私の気を引こうとしたのかとか、どうしてやたらと忠告してきたのかとか。

全て、繋がってしまったような気がして。

「...つまり、風磨を渡したくなくて...って事ですか？」

「いや、違う。」

全てを話し終わった後、健人先輩はコーヒーを一口飲んで、私の言葉を即座に否定した。

「風磨と付き合って、幸せになれない。っていうのは本心だよ。ほら、やっぱ、遊んできた風磨を1番近くで見てきたし、それで泣いてる女も、もう少しで事件になりそうな所も見てきた。」

汗をかき始めて薄くなってきたアイスコーヒーを、健人先輩はまた一口飲んだ。

「それに、きっと渡辺さんは凄くいい子だから、そういう事が風磨と付き合う上で起きてしまったら、自分の責任だとか思っちゃいそうで。...そのいい例がレイカね？」

「レイカさんが？」

「うん。アイツ、見た目はあんなだけど、とても芯が通ってるし、物凄く正直で素直。だから女性と一夜しか関係を持たない風磨でも、名前も覚えてるし友達になった。」

"まぁ、お互いに恋愛感情は全く無いんだけどね。"

なんて笑う健人先輩は、どこか儚げだった。

あぁ。

今ならなんだか、私と風磨が付き合うと分かった時の、詰められた後言われた言葉に納得が出来る。

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