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朝。というかもう昼だろうか。
今日が休日で良かった。と、隣に眠る愛おしい存在の髪を撫でながら思う。
当の彼は、赤ん坊みたいに可愛い寝顔で、幸せそうに眠っていた。
昨日、風磨は今までで1番激しかった。
でも、激しいだけじゃなく、その中にも彼の不器用な優しさが詰まっていて、私は幸せの絶頂に居た。
大人の世界、ってこういう事ね。なんて。
「好きだよ。ふーま。」
頰を手のひらで包んで、親指で撫でると、気持ち良かったのか手に頰を擦り付けてくる。
猫みたい。可愛い。てかこれ普通立場逆?
なんて思いながら、ベッドの下に散らかる自分の服を掻き集めてとりあえず着た。
そして、シャワーを浴びて、暖かいコーヒーでも飲もうとお湯を沸かしている間、私は携帯とにらめっこしていた。
画面には、何度か掛かってきている番号。
「あ、もしもし。はい。あの、今日お時間ありますか?」
つい半年前まで、恋人同士だった2人の通話だとは、誰も思わないだろう。
「じゃあ、今日の13時に、いつもの場所で。」
それだけ言って電話を切ると、後ろから抱き締められた。
「風磨?」
「誰と電話?」
「聡だよ。今日話してくる。」
「...分かった。じゃあ夜は俺の為に開けておいてね?連れて行きたいところがあるんだ。」
「わかった。どこ?」
「それはまだ教えてあげない。」
首だけ振り向いて話していた私の唇にチュ、とキスをして、顔を洗いにか洗面所へ消えた。
「あ、風磨。」
「なに?」
顔を洗ってもまだ眠そうな風磨に、昨日言い忘れていたことがあった。
「昨日、部屋で煙草吸ったでしょ。」
「...あ。」
「ちゃんと片付けて置いてね。空気換気させるから寒いけどベランダの戸開けてるから。」
「ごめん...」
本当は物凄く怒っていたけれど、仕方ないから許してあげる。
だって、シュンとする風磨を少し可愛いと思ったから。
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作者名:はる | 作成日時:2018年3月3日 19時