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「風磨、起きて。」
「んー...」
「ご飯出来たよ。」
私のその言葉に風磨はパチッと目を開けた。
おお、こんなにもサッと起きた風磨初めて見た。
「え、ご飯出来た?」
「うん。だってもう19時半だもの。」
「うっわぁ...やらかした。」
起き上がって頭を抱えた風磨に、少し笑みが溢れた。
「はい、ご飯食べよう。今よそうね。」
「...ありがとう。」
のそのそと起き上がった風磨は静かに席に着いた。
「え、やべえ。超美味そう。なにこのスープとかいうオプション付き。」
「ふふ、こう見えて料理は得意だからね。」
"いただきます。"
と小さく呟いてから、風磨はまずスープを一口飲んだ。
「何これ。超美味い。」
「ありがとう。」
目を見開いて、私の方を見た。
なんか、そんな褒めてもらうと、照れ臭い。
「まって、ハンバーグも超美味い。」
「ハート形じゃなくてよかった?」
「ハート形だったら俺キュン死してた。」
「ならしなくてよかった(笑)」
私のよりかなり大きめに風磨のハンバーグは作ったのに、物の見事に4口で食べ終わった。
一口一口が大きすぎて、頰いっぱいに詰め込んで、ハムスターみたいだった(笑)
「あー、悔しい。」
「なにが?」
「胃袋も掴まれちゃった。したも他の料理も食べたいと思った。」
「それは嬉しい褒め言葉をありがとう。」
"ごちそうさま。"
と手を合わせて言った後、私の分まで食器を持って行ってくれた。
「よし、決めた。」
「なにを?」
「当番制にしよう。料理と洗濯。」
「私はいいけど、洗濯するの?」
「ずっと1人だったから一応出来るし、うん。」
「分かった。」
この前決めたルールは、あっさり改定された。
それもまた、私が料理好きだと気づいた風磨の優しさなんだ。
「てかさ、さっきのあれ、めっちゃキュンってした。」
「どれ?」
「起こす時に、"ご飯出来たよ" って。新婚夫婦かと思ったわ。」
そう言ってまた照れた癖で鼻を触るから、鼻頭に泡がついた。
言ってあげたいけど、可愛いから言わないでおこう。
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はる(プロフ) - あらたさん» あらた様 うわー!本当ですね!すみませんご指摘ありがとうございます!これからも当作品をよろしくお願いいたします。 (2017年11月6日 2時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - 設定に変わってしまっているのかなと思います。なにか考えがあってでしたら申し訳ありません。これからも更新楽しみにしております! (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
あらた(プロフ) - こんばんは!初めまして。作者様の書かれるストーリーだけでなく、言葉や作品の雰囲気やリズムなど全部がツボです(;_;)作者様のお話が大好きです〜!それと私の間違いだったら申し訳ないのですが、68では主人公は夏生まれとなっていますが70では11月?あたりの→ (2017年11月5日 4時) (レス) id: b48a22250f (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 未空さん» 未空様 もったいないお言葉をありがとうございます!これからもよろしくお願い致します。 (2017年10月26日 1時) (レス) id: ab803b53a8 (このIDを非表示/違反報告)
未空(プロフ) - 今1番好きな作品です!続き楽しみにしてます! (2017年10月24日 0時) (レス) id: 0d0a977df5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2017年9月13日 2時